スプリンターズSの結果 ~涙のG1初制覇~
秋G1初戦は、ルガル(4歳牡)が快勝、G1初優勝です。また鞍上で彼の勝利をエスコートした西村淳騎手もG1初制覇、ゴール後馬上で感涙にむせんでいました。良い絵でした。
また、勝利ジョッキーインタビューで謙虚に関係者へのお礼を述べ、また女手一つで育ててくれた母親への感謝の気持ちを述べていたことが印象に残っています。本当に、関係者の皆様おめでとうございます。
◆ 1~3着馬
好スタートを切ったピューロマジック(3歳牝)が前半600mを32.1秒という、驚きの高速ラップでレースを引っ張りました。昨日の馬場は先行馬有利、内側有利と言われていましたが、さすがにこのペースに付き合ったら先行馬は総崩れすると考えたのか、2番手以下は自分たちのペースを刻みました。
以前のルガルはスタートに不安がありましたが、新春に勝利したシルクロードS同様に、西村淳騎手と呼吸を合わせて上手くゲートから飛び出しました。そのまま馬なりで3番手をキープしたのが勝因の一つです。
4コーナーを内側で回ると、直線では少し外側に進路を取り直し後続集団から抜け出し、ゴール前50mでピューロマジックをかわし、そのまま各馬の追撃を凌ぎ切りました。最後はクビ差ですが、快勝といってよい内容でした。
2着は中団から内ラチ沿いを伸びたトウシンマカオ(5歳牡)、3着は後方から上がり600m最速の末脚を繰り出したナムラクレア(5歳牝)でした。つまり、無冠の帝王と女王は、今回もまた惜敗でした。
特にナムラクレアはスプリンターズSが2年連続3着、高松宮記念が同連続2着です。ファンや関係者は「何で勝てないんだろう」と思っているのではないでしょうか。
◆ それ以外の注目馬の結果
1番人気に推されたサトノレーヴ(5歳牡)は超一流馬たちの雰囲気に気圧されたのか、初めての高速ラップに驚いたのか、中団から上がり切れず7着と、生涯で初めて掲示板を外しました。
2連覇を目指したママコチャ(5歳牝)も中団から鋭い末脚で伸びて4着でした。誠に失礼ながら、昨年の勝利は運も味方したと思っていましたが、ここ2戦の走りを見ると、G1馬として立派な実力を備えていることがわかりました。
春秋スプリントG1制覇を目指したマッドクール(5歳牡)は、見せ場なく12着に終わりました。パドックでも少し太めに見えており、昨日は出来栄えが悪かったのかもしれません。
香港から来日した2頭、ビクターザウィナー(6歳騙)は6着、ムゲン(6歳騙)は13着でした。日本の馬場や、昨日のスピード競馬への慣れがなかったと感じました。
◆ ルガル
彼はダートでデビューした後、去年4月より芝スプリント界に転向、今春の高松宮記念までで7戦2勝、2着3回、3着1回、4着1回と安定した成績を収めています。特に1月のシルクロードSの勝ちっぷりが素晴らしく、高松宮記念では1番人気に推されました。
しかし、レース中に骨折を負ったこともあり、10着と大敗しました。昨日はその高松宮記念からの半年ぶりの復帰戦でした。
話が逸れますが、G1初出走で1番人気に推されるも悔しい敗戦をしたのは、昨日のサトノレーヴも同様です。サトノレーヴがこの挫折を乗り越えて、今後のスプリント界で大活躍しそうな予感です。
最初から最後まで順風満帆な生涯を送れる人馬は少ないと思っています。こういう経験をした馬は応援したくなります。さぁ、自分も頑張ろうと思えたレースでした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?