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名馬紹介 グリーングラス

【名馬紹介 グリーングラス】
TTGのもう一頭グリーングラス(1973年生)の紹介です。

1、3歳時
彼はデビューまで時間を要し、1月にトウショウボーイと一緒の新馬戦を走り4着でした。その後も出世が遅れ、10月末の9戦目で漸く3勝目をあげました。
それでも関係者は菊花賞出走を願い、数頭の回避馬が出ないと出走が叶わない状況であったにも拘らず、関西遠征を敢行。運が味方し、最後の最後で回避馬が出て繰り上がり、21頭中21番目の順位で参戦できました。
道悪の菊花賞では、テンポイントとトウショウボーイが直線外側で激しく競い合うのを横目に内ラチ沿いを進み、2馬身半の差をつけて優勝しました。遅れてきた大器が、世に名を轟かせた瞬間です。

2、4歳時
4歳時はいまのG2クラスの重賞に2勝するも、大一番では常にTTの後塵を拝しました。それでも宝塚記念や伝説の有馬記念でも3着と、当時TTと伍する実力があるのは唯一彼だけでした。
なお、TTGは3回一緒に走っており、菊花賞グリーングラス、宝塚記念トウショウボーイ、有馬記念テンポイントと、各馬が1勝ずつしています。

個人的に4歳時の彼のベストレースと考えるのは、菊花賞の次走となったAJC杯です。菊花賞の勝利がフロック視されている中、道中早めに先頭に立つと、そのままレコードタイムで押し切る強い競馬でした。テレビで観ていた私は、愛するテンポイントの戴冠を遮ったグリーングラスが本当に強い馬だったことに、何だか嬉しく感じたことを覚えています。

3、5〜6歳時
TTの引退後は、彼がターフの主役を張ることが期待されました。期待に応えて翌年の春天では、いつも通り道中早目に先頭に立って押し切る強い競馬で快勝しました。
しかし元々体質が弱く、脚部にも不安があったグリーングラスはその後休養期間が長く、春天快勝後、5歳時には2戦、6歳時には4戦のみの出走に限られました。そして暮れの有馬記念を引退レースにしました。

彼はその有馬記念をハナ差で制し、TTに次いで年度代表馬に選出されました。彼が並み居る後輩強豪馬を抑え天皇賞と有馬記念に優勝したことで、TTG世代の強さが後年にも語り継がれることになりました。

4、最後に
グリーングラスは名前の通り綺麗な緑色のマスク(メンコと呼びます)を着用していました。他には、雄大な馬体、大器晩成、長距離得意、道悪も問題なし、3コーナーから捲っての横綱相撲、直線内ラチ沿いをしれっと走る、少し斜め前を向くといった印象が強いです。

当初は私にとって、菊花賞でマイアイドルホースのテンポイントの夢を破った憎き馬でしたが、TTがいなくなった後は、彼らの想いを乗せた仲間と思い始めて、各レースで一生懸命に応援しました。TTG3頭とも私にとっては忘れられない名馬です。


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