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コラム31 3歳未勝利戦

将来を嘱望される2歳馬たちの華やかな重賞レースの裏側で、3歳未勝利馬たちの生き残りを賭けた、熾烈な戦いが行われています。

◆ 3歳未勝利戦
3歳の未勝利戦は今週末で終わります。ここで勝ち上がれなかった未勝利馬たちは、JRAに残って1勝クラスに挑戦することもできますが、障害に転向したり、NAR(地方競馬)に転厩したり、引退したりすることが多いです。

ただし、JRAでは未勝利だった馬がNARへの移籍後に覚醒し、JRAに復帰を果たした上にG1勝ちした馬も少なからずいます。

◆ 事例紹介
(1) ダンシングプリンス(2016年生 牡)
彼はデビュー自体が遅く、3歳の9月の未勝利戦最終週でした。9月に1勝クラスにも出走しますが、JRAで勝てないまま、NARに転厩しました。
そこで覚醒し、4歳の4月にJRAに復帰しました。その後はG1級のJBCクラシックやリヤドダートスプリントなど、国内外重賞を4勝しました。

(2) ディクテオン(2018年生 騸)
3歳未勝利戦が終わった時点で、彼は3戦未勝利の状況でした。秋に名古屋に転厩すると連勝し、4歳になるとJRAに復帰します。
そこからの成長もユックリでしたが、5歳の末に名古屋での交流重賞に勝利、第二の故郷に錦を飾りました。
因みに、彼のキャリアは典型的なダート馬であり、いつか名馬として紹介したいと思います。

◆ 勝ち上がり率など
JRAでの勝ち上がり率は3割程度だと言われています。言い換えれば、7割弱の馬が未勝利のまま、シーズン末を迎えます。
しかし、上述の通り、NAR転厩後に覚醒する馬もいます。彼らがJRAに戻って活躍する姿を見ることは、わたしの大好きなシーンの一つです。

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