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NHKマイルの戦評 ~トップ2騎手の駆け引き~

日曜日に行われたNHKマイルの戦評を、ジャンタルマンタル(川田騎手)とアスコリピチェーノ(ルメール騎手)に絞って投稿します。なお、NHKマイルでは誰もジョッキーカメラを実装していなかったとのこと、残念です。

◆ 4コーナーまで
ジャンタルマンタルは好スタートを切ると、ハナを切らせる馬たちを先に行かせて、好位4番手あたりに付けました。アスコリピチェーノも好スタートを切り、同じく好位に付けようとし、吸い込まれるようにジャンタルマンタルの内側に入り込みました。一昨日、ジャンタルマンタルは16番枠、アスコリピチェーノは14番枠だったのですが、もし枠が逆であれば、展開も結果も逆になったのかもしれません。

川田騎手はアスコリピチェーノが外に展開できないように外から蓋をし続けました。一方、ルメール騎手は外に展開できるよう試み一旦ジャンタルマンタルの後ろに下げるも、その時点で上がってきた別の馬に蓋をされてしまい、結局外への展開を諦めて直線は内側をつくことを決意します。

◆ 4コーナーから
アスコリピチェーノの鞍上、ルメール騎手はジャンタルマンタルの1頭分内側、マスクオールウィンとの間に進路を確保しようと考えました。しかし、ジャンタルマンタルが絶妙に内側を締めて、アスコリピチェーノの進路をつぶしました。ジャンタルマンタルはそこから真っ直ぐ走り快勝です。川田騎手にエスコートされたポジションや進路を取り切る操作性の高さ、長く良い脚を使う末脚の力、レコードタイムで激走した皐月賞から僅か2週間のインターバルでも力を出し切った体力や根性、ジャンタルマンタルの能力の高さに驚嘆しました。

一方、内ラチ沿いに押し込まれたアスコリピチェーノは、ジャンタルマンタルとマスクオールウィンの間の進路を諦め、マスクオールウィンの内側を突こうとします。しかし、ここでマスクオールウィンが内側によれた影響で再び進路がなくなりました。それでも諦めずに半ば強引に狭い進路に突っ込んでいき、小さな穴をこじ開けて200mを切ったところから再加速し、2着に入りました。ルメール騎手の強引な騎乗には賛否がありますし、実際に彼は斜行を理由に過怠金が科せられました。しかし、再加速してからのアスコリピチェーノの末脚は、ジャンタルマンタルを凌駕する切れ味がありました。

長く良い脚を使えるジャンタルマンタルと、一瞬の鋭い切れ味をみせるアスコリピチェーノの戦いを今後何度も観られることを期待します。

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