コラム10 日本馬の実力
【コラム10 日本馬の実力】
1990年代前半ごろまで、日本馬の実力は外国馬に劣るとされ、実際その通りでした。そこで1981年に一流の外国馬を招待し、彼我の差を感じ、その後の発展に繋げるためのレースとして「ジャパンカップ」が創設されました。
ジャパンカップ自体に色々なストーリーがあるのですが、それは今回省略して結果だけをお伝えすると、最初の11回のうち日本馬が勝ったのは2回だけでした。次の6回は3勝3敗と互角になり、その後は逆転し26回のうち外国馬が勝ったのは2回だけ、直近は日本馬が18連勝中と、いまでは日本馬が圧倒的に優勢になっています。
そして、近年は海外G1で日本馬が勝つことも、珍しくなくなりました。昨年のワールドランキング1位はイクイノックスでした。
なぜ日本馬が強くなったのか?そこには競馬界を上げての長い努力がありました。具体的には、以下のような変化があったのではと愚考します。
1、トレーニング施設の整備
2、最新の強化プログラムの導入
3、食べ物の進化
4、有力種牡馬の輸入
最後に私が好きな競馬のロマンを感じるストーリーです。
日本馬のジャパンカップ初勝利は1984年ですが、日本で調教された日本馬が海外重賞に勝つのは1995年のフジヤマケンザンまで待つことになります。彼はマイアイドルホースの「流星の貴公子」テンポイントの一族です。
テンポイントのマガジンで詳述しましたが、テンポイントは1978年に日本最強馬として海外遠征する計画があり、粉雪舞う新春の壮行レースでの大怪我によって、海外遠征をすることなく天に召されました。あの日のフジヤマケンザンには、テンポイントの魂が宿っていたと思っています。
そして、「悲劇の貴公子」とも呼ばれたテンポイントのストーリーは、このフジヤマケンザンの勝利をもって終幕しました。
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