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推し馬 シルヴァーソニック 〜お茶目でお騒がせな馬〜

基本的に、推し馬は現役馬だけを対象にしています。ところが、シルヴァーソニック(2016年生 現8歳)は紹介しようとしていたら、突然引退してしまいました。悩んだのですが、記憶に留めておきたい存在なので、今回推し馬として紹介することにしました。

◆ 血統
彼の父は三冠馬オルフェーヴル、母は重賞勝ちの実績があるエアトゥーレ。兄には皐月賞馬のキャプテントゥーレ等がいる良血馬です。
期待されていたものの、彼自身が本格化するまでの道のりはユックリで、オープン入りしたのは5歳の夏でした。

◆ 最初の春天
彼は長距離を主戦場に、5歳後半から本格化します。しかし、彼を有名にしたのは、6歳の春天での出来事です。
彼はスタート直後に躓き落馬するも、みんなと一緒に3200mを走り切り、しかも2番目にゴール板を通過しました。さらに、彼はゴールした後、外ラチを見事な背面跳びで飛び越えます。そして、仰向けに倒れると暫く動かなくなりました。みんなが最悪の事態も覚悟したのですが、係員が近づくと元気に飛び起きるという、お騒がせな一人芝居を演じました。
一人芝居では無傷だったのですが、その後の調整中に左前脚に故障が発生し、年末まで休養となりました。

◆ キャリアのクライマックス
その年の秋からの3戦が、彼のキャリアのクライマックスです。
先ずは、年末のステイヤーズSで、短期免許で来日していたレーン騎手の素晴らしいエスコートによって、重賞初制覇を果たします。「騎手が乗っていても強い」と評判になりました。
そして、年明けにはリヤド遠征。レッドシーターフ(3000m)で、道中内ラチ沿いでストレスをかけ続けられるも、直線で弾けて後続を突き離して勝ちました。これは、とても強い勝ち方だったと思います。
最後は、春天への再挑戦です。後方待機からの末脚勝負にかけるも、上位2頭に届かず3着でした。この3戦は全てレーン騎手が騎乗しています。レーン騎手は彼のことが大のお気に入りでした。
しかし、その後に脚部不安が発生し、再び1年間の療養生活に入りました。

◆ その後
今年の年明けに復帰するも、ここ2年好走していた得意の阪神大賞典と春天で、共に2桁着順の大敗。その後に重度の繋靭帯炎を発症し、再び鞍上にレーン騎手を迎えることなく、引退となりました。

◆ 評価
シルヴァーソニックは、芦毛の綺麗な馬体、愛嬌のある立ち振る舞い、お茶目でお騒がせな行動などから、ちょっとイロモノ的に扱われる時があります。しかし、ステイヤーとしての実力は、間違いなく一流でした。
ただし、脚の怪我が多く、これからという時に残念ながら何度か休養しています。いつも楽しそうにしている彼の走る姿を、もっと観たかったなと思っています。

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