日本テレビ盃の結果 ~各有力馬順調に始動、その中でニュースター候補も誕生~
注目の日本テレビ盃は、ウィリアムバローズが、かしわ記念以来の仕切り直しの一戦で、渾身の逃げ切り勝ち見せました。今秋のニュースター候補の誕生です。
ダート王のウシュバテソーロは直線鋭く追い上げるも2着でした。3着はメイショウハリオが入りました。2強の一角デルマソトガケは直線で脚が上がり、5着に沈みました。4着は浦和所属のナニハサテオキです。
◆ レース展開
デルマソトガケとウィリアムバローズが素晴らしいスタートを切ります。競い合うことなく、逃げることを主張したウィリアムバローズが自然に先頭に立ち、デルマソトガケは2番手に控えます。
驚いたのは、いつも後方待機からの直線勝負に賭けるメイショウハリオが4番手につけたことです。1番人気に推されたウシュバテソーロはいつも通り中団やや後ろにポジションを取りました。
メイショウハリオは早めに上がっていき、4コーナーを回ったところでデルマソトガケをかわして2番手に上がりますが、ウィリアムバローズの脚は鈍りません。むしろ、さらに加速していく感じで後続を突き放していきます。その反面、道中常に外側を走らされたメイショウハリオは、疲れたのか脚が鈍りました。
一方、ウシュバテソーロはいつも通り直線大外を、一歩一歩重戦車のようにノシノシと差を詰めていきますが、1馬身追いつけませんでした。
◆ 秋の本番に向けて
各馬が秋の本番に向けて、よい始動をしたと思います。
・1着 ウィリアムバローズ(6歳牡)
今日の逃げ切り勝ちは渾身の一撃でした。鞍上の坂井騎手のペース配分も完璧でしたが、彼の走りっぷりは成長した底力を感じました。今春初のG1参戦だったかしわ記念では、周りの雰囲気に気圧されたのかよいところなく敗れました。しかし、ウシュバテソーロやメイショウハリオを相手に堂々と逃げ切った彼は、今秋のG1レースでの活躍が期待されます。
・2着 ウシュバテソーロ(7歳牡)
BCクラシックの前哨戦として、完璧な走りでした。昨日は彼がやるべきことを完遂するも、ゴールの時に前に一頭走っていたという感じだと思います。
今年のBCは直線の短いデルマー競馬場で行われます。素人の余計なお世話ですが、後方からの追い込みでは先頭に届かない恐れもある中、陣営がどんな作戦を立てるか注目です。
・3着 メイショウハリオ(7歳牡)
3連覇に挑んだ帝王賞で9着に沈んだメイショウハリオの調整が心配されましたが、全くの杞憂に終わりました。
いつもより前目で進んだこと、道中はず~っと馬場の外側を走ったことでゴールまでは脚が上がりましたが、久しぶりのレースとしては良い内容だったと思います。今秋のG1戦線でも依然中心馬の一頭であることを証明しました。
・4着 ナニハサテオキ(5歳牡)
恥ずかしながら、彼の走りを観たのは昨日が初めてだったのですが、道中も先頭集団にとりつき、最後も脚を伸ばしてデルマソトガケをかわしたのは立派でした。
彼はJRAでデビューし、芝で8戦1勝の成績を残し、昨年1月にNARに転厩しました。そこからダートに転向すると、11戦7勝2着1回と活躍、昨日初の交流重賞でも4着と好走しました。秋のNAR馬の大将格に名乗りを上げました。
・5着 デルマソトガケ(4歳牡)
レース前、少し太めに見えるとの声が多かったです。実際、鋭くスタートを切って先行するも、4コーナー手前から苦しくなり、直線では脚が上がったのを見ると、BCクラシックを見据えた余裕残しの仕上げだったのかもしれません。
しかし、昨年のBCクラシックで2着に入り、レース後「日本テレビ盃を使えなかったのが痛かった」というコメントを残したことを考えると、計画通りに日本テレビ盃を最後まで走り切ったのは、米国遠征への素晴らしいプロセスだったと思います。