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安田記念の戦評 〜勝ち馬が総合力で一枚上手だった〜

勝ち馬と上位入着馬のレース運びを、私見を込めて詳報します。

◆ ロマンチックウォリアー(マクドナルド騎手)
スタートが抜群に良く、余裕をもって好位置をとれたのが勝因です。道中から4コーナーを回ったところまで、ステラヴェローチェに外から蓋をされていました。しかし、残り400mでステラヴェローチェがバテると、前にスペースができ、そこからジワリと伸びました。
後方待機していた各馬が残り600mを33秒前後で追撃してくるのに対して、同33.4秒で粘り切れたのは道中前目で位置取りしていたからであり、言い換えれば先行各馬が掲示板に載れなかった中、ゴールまで脚色が鈍らない力は本物です。
スタート、位置取り、末脚、総合力が一枚上手だったと思います。

◆ ナミュール(武豊騎手)
一昨日はゲートから普通に出られるも、二の脚がつかずに、後方からのレースとなりました。こうなると、末脚勝負に賭けるしかありません。道中は馬のペースを最優先にユッタリと進み、直線に入ると外目に進路を確保し追い上げます。残り300~200mではロマンチックウォリアーをかわせるかと思いましたが、1/2馬身追いつけませんでした。武豊騎手は2回目の騎乗で、彼女の癖や気性を確りと把握できていたのだと思います。
なお、「推し馬 ナミュール」を更新して文末に貼付しました。宜しければご覧下さい。

◆ ソウルラッシュ(モレイラ騎手)
モレイラ騎手はレース終了後のインタビューで、「勝ちに行った分、最後の最後に脚が上がった」と述べています。彼は好スタートを切ると、道中は中団に位置し、直線でも上手く馬をさばいて真ん中あたりで伸びてきました。外から急襲するナミュールに並びかけられると加速するも、ナミュールにハナ差及ばず3着でした。

◆ ガイアフォース(長岡騎手)
長岡騎手にとっては悔しい結果だったと思いますが、一昨日は前目に馬が集まったなか、2番枠だったことを勘案すると、良い騎乗だったと思います。
道中はロマンチックウォリアーの斜め後ろの内側で距離のロスなく進み、直線では一旦最内を突くも、そこが詰まると直ちに外側にコースを取り直して伸びてきました。最後は4着でしたが、見応えのある走りっぷりでした。

◆ セリフォス(川田騎手)
セリフォスはスタート自体悪くなかったのですが、ナミュールよりさらに後ろに位置し、末脚勝負に賭けました。直線では往年の末脚を彷彿させる勢いで大外を追い上げるも、道中の位置取りが後ろ過ぎたため、5着まででした。彼は雨が降った馬場を苦手にしているようで、道中の進みが悪かったのだと思います。人馬ともに一昨日の天気は恨めしかったことでしょう。

 

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