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【名馬紹介 ロジャーバローズ】

2024年6月25日に、突然に8歳の若さで天に召された、2019年開催の第86代日本ダービー馬、ロジャーバローズ(2016年生)のことを紹介します。

◆ デビューからダービーまで
2歳8月にデビュー、そこから3戦2勝で皐月賞トライアルのスプリングSに駒を進めます。しかし、ここで7着に敗れてしまい、皐月賞への出走が叶いません。
次走には京都新聞杯を選び、今度はキッチリと2着に入って収得賞金を上乗せし、日本ダービーのゲートに滑り込みました。

◆ 2019年のクラシック戦線
ロジャーバローズと同じ厩舎のサートゥルナーリアが、ホープフルSに続いて皐月賞も快勝し、この年のクラシック戦線は彼の一強ムードでした。日本ダービーまで4戦4勝の走りっぷりや、美しい馬体、安定した末脚を見ると、サートゥルナーリアがダービーで負けるイメージは湧かないほどでした。
余談ですが、この年の牝馬三冠は、桜花賞:グランアレグリア、オークス:ラヴズオンリーユー、秋華賞:クロノジェネシスという名牝が制した、とても華やかな代です。

◆ 日本ダービー
迎えた日本ダービー。断トツの1番人気(1.6倍)に推されたサートゥルナーリアが、スタートで出遅れるという波乱の幕開けでした。
レースは青葉賞を逃げ切り、当日穴人気になっていたリオンリオンがハイペースで大逃げします。ロジャーバローズはリオンリオンから離れた、また後続とも離れた2番手でポツンと進みます。
当日12番人気のロジャーバローズは他馬からマークされておらず、事実上は余裕のあるペースで、誰からも競りかけられない状態で、単騎逃げしている形です。
これは、鞍上の浜中騎手の理想としていた展開です。脚を十分に余していた彼は、4コーナーの手前から後続を待たずに早めに仕掛けます。残り400mで先頭に立つと、最後まで粘り切りました。サートゥルナーリアは4着でした。単勝は93.1倍の高額単勝配当となりました。

◆ 引退
秋には凱旋門賞への挑戦が決まるも、牧場から戻った矢先の8月に屈腱炎の発症が確認されて、引退が決まりました。
彼の競走馬としての真の実力を確認できないままに、ターフを去ることになりました。
種牡馬として、5世代の産駒を残しており、昨年から順次デビューしています。

◆ 先輩ダービー馬
ロジャーバローズと歳の近い先輩ダービー馬に、早逝が続いています。
2015年ダービー馬 ドゥラメンテ 9歳で死亡
2018年ダービー馬 ワグネリアン 7歳で死亡
血を繋ぐことにも意義のある競馬界において、大きな損失が続いています。

もちろん、戦績の如何に拘らず、1頭ずつの馬の命の尊さに差異はありません。しかし、毎年1頭しかいないダービー馬に対し、思い入れの大きな関係者やファンは多く、彼らの早逝を悲しむ声が止みません。


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