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エンプレス杯の戦評 ~幾重にもストーリーが重なった一戦~

いま思い起こしても、とても面白かった一戦なので、普段はG1しか詳報しない戦評を急遽書いてみたくなりました。6着までの各馬のレースっぷりを振り返ります。ただ私見なので、実際の騎手の方々の考えや、馬の状態とは異なっている点も多々あると思います。ご容赦下さい。

1着 オーサムリザルト
最高のスタートを切りましたが、ハナを切るつもりはなかったと思います。ところが、あまりに行きっぷりが良かったので、武豊騎手は1週目のスタンド前でライオットガールをかわしていきました。無理に抑えるよりも自分のペースで行かせることが良いという考えは理解できるも、武豊騎手がゴール前でバテるリスクをなぜ取り切れたのか、理由を知りたいところです。

2着 グランブリッジ
彼女は常に中団から追い込み上位に入着します。昨日、実績馬4頭が残り800mで仕掛けた時、先頭集団から離されても落ち着いてペースを守り、直線勝負にかけた川田騎手の騎乗は道中の進行、直線での追い出しのタイミングなど、どれをとっても満点だったと思います。それでも1頭強い馬が前にいました。川田騎手は相当に悔しかった惜敗だったと思います。

3着 キャリックアリード
グランブリッジ同様に残り800mでペースが上がった時、先頭に取り付くことをせず、中団で脚を貯めました。御神本騎手は、勝つために一瞬の切れ味を持つ彼女の末脚に賭けたのだと思います。グランブリッジから一拍遅れて追い出し先頭に迫りましたが、3着でした。狙い通りの騎乗をするも勝てなかった御神本騎手も、心の底から悔しかったと思います。

4着 ライオットガール
兵庫女王盃の逃げ切り勝ちの再現を狙い、スタートから押してハナを主張しました。テリオスベルが引退したいまはマイペースで先行できると思うも、まさかのオーサムリザルトのまくり。しかし、岩田望騎手はそこで無理に競いませんでした。ゴール前でオーサムリザルトをかわして勝利するイメージは作れていたと思いますが、狙い通りにはなりませんでした。

5着 アイコンテーラー
彼女は砂を被ることが嫌いなので、一昨日も馬場の外側で前に馬を置かない状況をつくりました。松山騎手はオーサムリザルトの行きっぷりが良かったので、早めに競りかけて一騎討ちの状況に持ち込みました。実績から見ても勝てると思ったのでしょうが、2100mが長かったのか、最後は逆に競い負けました。悔しいと思うも、納得の敗戦だったかもしれません。

6着 アーテルアストレア
彼女もアイコンテーラーと一緒に1週目のスタンド前で上がっていきました。菱田騎手は末脚に自信をもっていたので、上位の競い合いに付き合うことをやめて、4番手に位置しました。残り800mでペースが上がった時にも自信をもってついていきましたが、直線に入るとバテてしまいました。彼女もまたアイコンテーラー同様に、2100mは少し長かったのかもしれません。

◆ 最後に
キャリックアリードや先日の名古屋GP2着のヒロイックテイルは、収得賞金が少ないため、JRA所属のままだとそれぞれ出走が適いませんでした。今後も徐々に、交流重賞への出走機会を求めて、ダート一流馬のNAR移籍が増えていくと想像します。私は推し馬がどこにいても、応援し続けます。
 

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