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名馬紹介 テンポイント その7

(7) 悲劇の貴公子
遂にトウショウボーイを倒したテンポイントは、海外遠征が決まり、年明け1月に壮行レースとして粉雪が舞う京都競馬場の日本経済新春杯に、66.5kgの過酷な斤量を背負って出走しました。

いつも通りに快調に走るも、4コーナーで突然減速、絶望的な大怪我を負いました。ファンからの願いもあり、手術し命を救おうとしましたが、43日間の闘病生活の末に天に召されました。彼もまた母や祖母と同じ11勝でした。僕は途中から覚悟をしていたとはいえ、奇跡を願っていたので、訃報を聞いた時には本気で泣きました。

テンポイントの名前には、大きな活字(10ポイント)で報道されるような活躍をしてもらいたいとの願いが込められています。現役時代は何度も、10ポイント以上の活字で報道される活躍を何度もしました。また、骨折は各紙の一面で報じられ、彼の死は昼のNHKニュースのトップで報じられたほどの社会現象にもなりました。

彼は現役時代の美しい走りから「流星の貴公子」といわれる一方、その最期から「悲劇の貴公子」とも呼ばれています。


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