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推し馬 シャフリヤール 〜少し地味だけど、とても強い〜

今日は21年の日本ダービー馬、シャフリヤール(2018年生 現6歳牡)のことを紹介します。

◆ 超一流の堅実な戦績
彼は第88代日本ダービー馬なだけでなく、ドバイシーマクラシックにも勝利しています。今日時点では、海外G1に勝った唯一の日本ダービー馬です。
彼は海外にも積極参戦しており、ドバイシーマクラシックに3年連続で参戦しているほか、米国や英国のG1でも好走しています。

彼の戦績は15戦(うちG1を10戦、内訳は国内G1と海外G1をそれぞれ5戦ずつ)4勝です。それだけハードな戦いをしているにも拘らず、掲示板を外したのは、喉に疾病を発症した昨年の札幌記念だけです。なお、レース後に喉の手術を受けて、いまは問題ないようです。

そんな強豪馬ですが、直近2年半近く未勝利のため、とても地味な評価になっています。ここらで一皮剥けて、一気に天下をとってもらいたいと願っています。

◆ 日本ダービー
彼の強さが際立ったのは日本ダービーです。
デビュー3戦目の毎日杯を日本レコードタイの素晴らしいタイムで勝つも、皐月賞には目もくれず、日本ダービーに目標を絞りました。

この年の3歳路線は、4戦4勝で皐月賞を圧勝したエフフォーリアの1強ムードでした。実際、ダービーでは単勝1.7倍の圧倒的1番人気に推されています。
ダービーでも、残り200mの段階では、直線中ほどを抜け出したエフフォーリアの楽勝かと、誰もが思いました。

シャフリヤールは道中エフフォーリアの外側を進むも、4コーナーで一旦中団に下がります。少し進路を探す様子を見せますが、残り300mくらいで外側に進路を見つけ前進します。
そこから今度はエフフォーリアの内側に切れ込んで、鋭い末脚で突き抜け、ゴール前でハナ差かわしました。福永騎手の見事なコース取りと、絶妙な追い出しのタイミングでした。

◆ 母のこと
彼を語る上で、血統にも触れておきたいです。
彼の母ドバイマジェスティは米国で現役時代を過ごし、BCフィリー&メアスプリント(G1)に勝利した強豪です。
引退後直ぐに、ディープインパクトとの相性が良いと判断され、日本に輸入されました。そして、ディープインパクトとの間に5頭の仔を産みました。シャフリヤールは5番目です。

彼の4つ上の兄は皐月賞と大阪杯のG1を2勝したアルアインです。また、5つ上の姉ジュベルアリの子ども(つまりシャフリヤールの甥っ子)は、先日の中京記念を制したアルナシームです。

ドバイマジェスティは母としても優秀です。そして、当初想定通りに、ディープインパクトとの間に優秀な仔を産み続けたこと、関係者の慧眼に感服です。

◆ そのほか
最後に、彼のことで印象に残ったことを、何の脈略もなく並べてみました。

(1) 兄と比較すると小柄な馬体
彼と同じ父母のアルアインは520kg前後と大型なのに対し、彼は450kg前後と父ディープインパクトに似ています。
得意距離もアルアインが2000m前後に対し、シャフリヤールは2400m前後とされます。不思議ですね。

(2) コントレイルを慕うような視線
2021年のジャパンCは、三冠馬コントレイルの引退レースでした。3着に終わったシャフリヤールは、直線で外側からコントレイルに抜かれた時、首を外に向けてコントレイルの姿を追っています。
まるで偉大な先輩の姿を、目に焼き付けているかのようだったのが、強く印象に残っています。

(3) 臨機応変な対応ができる器用な脚質
日本ダービーでは鋭い末脚で突っ込んできましたが、どちらかというと父のような一瞬の切れ味勝負というよりは、良い末脚を長く使うイメージです。また、道中の位置どりは、その日のレース展開に合わせ、臨機応変に対応できる器用な印象です。
この器用さが、評価が上がらない一方、堅実な戦績を残し続けられる特徴かと思います。

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