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1996年の阪神大賞典 ~歴史に残るデッドヒート~

数あるG2レースの中でも、阪神大賞典は特別な一戦だと思っています。特に1996年のナリタブライアンとマヤノトップガンの600mの長いデッドヒートは有名です。少し振り返ります。

先ずは主役の2頭の紹介です。ナリタブライアンは94年の3歳クラシック三冠馬で、同年の年度代表馬に選ばれた名馬です。しかし95年春に負った股関節炎のため、秋シーズンは3戦3敗と精彩を欠いていました。
一方、マヤノトップガンは95年のダービーの頃には未勝利を勝っただけの無名馬でしたが、一夏を越えて急成長。95年秋から冬にかけて、菊花賞と有馬記念を連勝し、95年の年度代表馬に選出されました。
レース前から2頭の一騎打ちムードが高まり、有馬記念を勝ったマヤノトップガンが1番人気、有馬記念で4着に沈んだナリタブライアンが2番人気でした。

レースは好位4番手につけたマヤノトップガンを見ながら、ナリタブライアンがその後ろにつける展開で淡々と進み、レースが動いたのは残り800mからです。マヤノトップガンが楽な手応えで外から先頭に並びかけ、このまま突き放すかと思われるも、ナリタブライアンも一緒に上がっていき、残り600mで2頭が馬体を併せました。あとは後続を突き放して2頭による激しいデッドヒートが繰り広げられました。
残り200mで一旦マヤノトップガンが抜け出すも、100mでナリタブライアンが追いつき、最後はアタマ差抜け出しました。3着馬を9馬身突き離す、凄まじいデッドヒートでした。

当時は他にも、サクラローレル、ヒシアマゾン、マーベラスサンデー、バブルガムフェローなどの強豪馬が距離不問で年に何度も戦う、今とは趣きの違う時代でした。

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