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希林ロマンに憧れて〜想ひ出着物のお直しのお話。〜

今でこそ縞柄のお着物はたくさん我が家におりますが、
着物普段着化計画を掲げたてのころ、
我が家に最初にやってきた縞のお着物がこの子でした。

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リサイクル着物店で出逢って一目惚れして
当時本当にお金がなかったなかを
数ヶ月分の家計をやりくりしてやっと迎えた子。

大好きすぎてそれはそれはいっぱい着ました。

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大切な場面に一緒に居てもらったことも、

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大好きな友人を素敵な笑顔にしてくれたことも、

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ぜんぶとっても愛おしい思い出。

ということで、昨年の春にクリーニングに出そうと思ったら
八掛がかなりボロボロになっているのに気づきました。

「そうだよね、ほんとにいっぱい着たものね。。。」

胸に込み上げる、ありがとうの気持ち。。。

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購入当時は必死でやりくりしたと言っても
ブランドもののワンピースよりお安いお値段のリサイクル着物。
気兼ねないお洒落着感覚でしたから
寿命かしら、、、とか一瞬は過ったものの、
心がすぐに悲鳴を上げました。

「嫌だ❗️この子大好きなの❗️まだお別れしたくない❗️
       それに、だってまだ着られるよ❗️」


そう。擦り切れているのは八掛だけ。

お着物はお直しができるのです。

思い出深い着物でしたし、
昨年の今頃に横浜そごう美術館で観て以来、樹木希林さんの着物にも大いに影響されていました。

着物は何度でも甦ることができる。

で。
いつもクリーニングをお願いしているお店の相談会に持ち込んだところ、ふたつのやり方を提案していただきました。

ひとつめは【八掛の交換】。
八掛の交換には、着物を全部解く必要があります。なので八掛の生地代に加えてそのお仕立て代がかかるわけですから、まぁ、当然そこそこします。

ふたつめは【裾上げ】。
裾だけを解いて擦り切れてしまった部分を内側に折り込んで縫い上げるやり方。このやり方なら、費用は断然お安くできる。多少身丈が短くなるのは女性着物であればお端折りで調整すればいいし、私は普段から(サイズに構わず)着物を着ているので問題ないでしょう、とのこと。

費用差は、、、八掛の交換は裾上げの、、3倍くらいしました。
まぁ当然です。

これからもこの子を着る、ということを費用だけで考えるなら、裾上げでしょう。
でもね、やっぱりチラつくんですよ。樹木希林さんの、めちゃくちゃ素敵だった着物たちが。

なので、清水の舞台から飛び降りることにしました。
だってそっちの方が絶対ワクワク感が10倍は上がるんだもん。費用対効果を冷静に考えたわけです。

で。希林さんの着物コレクションに憧れてとなると、色は妥協できないわけです。

漠然と考えていたのは2色。
紺でクールに締めるか、コバルトブルーでファンキーに攻めるか。

そしたらねぇ、落とし穴が待ってました👀

《八掛の見本帳に、そのどちらの色もない。。。》
まぁわからないでもない。そんな色を所望する人は確かに少数派だと思うし。

「えぇ〜っっっ❗️」と泣きそうな悲鳴を上げる私。

と。担当の方がそわりそわりと別の見本帳を差し出しました。

「これが、染めの見本帳。その、、、白い生地をこの色に染めるとこから始めるので、、、アレね、、、、こっちだと値段がね、、、」

はい。
もう毒を喰らわば皿までいこうじゃありませんか🤣
だって。色を妥協しちゃったら、交換する意味がない。

で。購入したときの実に五倍の金額がパタパタと飛んでいきましたとさσ)>ω<*)
もうね、しょうがないですよね、それはね(笑)

色はどっちにしたかって❓
こちらにしました✨

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仕上がって来たのは夏。
思っていた通りの「希林ロマン」に、もうテンションは100倍アップでした。費用対効果良すぎでする❣️

で。その夏の間、着るときを今か今かと待ち侘びていたんですが、
「ちょっと特別な日に、、、」と意気込んでしまったものですから
気がついたらうっかり年末でした(ノ∀`)アチャー

でもご縁とは不思議なもので、
年越えギリギリのタイミングで
希林さん展のマニアックレポート記事を読んでくださった知人が
希林さんとご縁あった方とお引き合わせくださることになり❣️
意気揚々とこの着物で出かけて参りました。

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美味しい日本酒のお店に予約を取っていただいたのに
現在諸事情で禁酒中のお酒好きの気持ちを半襟に託し🤣、
大好きな大振りのイヤリングを両耳に単品使いして

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先日着物SNSで教えていただいた百人一首の帯と、
お太鼓の柄に入っていた星柄の遊び心を帯揚げに繋いで。

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もうホント楽しかった❣️

希林さんのお話からお着物の話、お芝居のお話、未来の話、、、
久しぶりに“時代劇がやりたいからピアスの穴をあけてない”なんて話もしたり。

とてもワクワクした時間の締めくくりには
お店のオーナーさんやお隣のテーブルでお食事をされていたお客様も一緒にお着物の話題で盛り上がりました。

そのお客様、そのお店に卸しているお酒屋さんの社長さんで、
奥様は今まさに着付け教室に通われているとのこと。

着物にブーツ、カジュアルな小物合わせが新鮮だったようで、
「私もそんな風に着物を来てお出かけしたいんです❣️」
と素敵な笑顔で言っていただけたのがとっても嬉しくて
自信満々に「すぐお出かけできるようになりますよ✨」って
お返事しちゃってました🤣

オーナーさんには、お酒柄の半襟のメッセージが
ばっちり届いていたそうです(๑•̀ㅂ•́)و✧

やっぱり着物っていいなぁ。。。💖
しみじみ実感した2020年の終わり。

うん。

着物、だいすき。

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