【高配当株シリーズ】鉄鋼3兄弟

ども、かえるくんです。
本日の気になる銘柄は、みんな大好き「高配当」「低PBR」銘柄
【5401】日本製鉄  【5411】JFEHD 【5406】神戸製鋼所
鉄鋼業界上位3位の鉄鋼3兄弟です。

湯水のように資金があるわけではないので全部買うわけにもいかず、どれか一つに絞るとすればどれだろう?
という視点で調べてみました。

業界動向サーチHP

鉄鋼業界について

鉄を作る鉄鋼メーカーにも大きく「高炉メーカー」と「電炉メーカー」の2種類があります。
【高炉法】
鉄鉱石と石炭(コークス)を原料に高炉(溶鉱炉)で銑鉄をつくり、転炉で精錬し、成分を調整して鉄鋼を生産する。CO2 排出量が多い。
【電炉法】
電気によって原料の鉄スクラップを熱して溶かし、成分を調整しながら鉄鋼を生産する。スクラップが再利用できかつCO2 の排出量も少ないくエコ。 

国際環境経済研究所HP
日経新聞

今回取り上げる3社はいずれも高炉メーカーです。
巨大装置産業なので参入障壁は高く現行3社が独占しています。
高度経済成長時に6社あった高炉メーカーですが現在では3社に統合されています。

経済産業省_金属産業の現状と課題(令和3年12月)

製鉄3社の比較いろいろ

基本指標

楽天証券データ 2023.11.11

時価総額でみると日本製鉄がダントツの1位、PBRはどこも1倍割れ、配当利回りは神戸製鋼所が5%を超えて1位です。株価から見ても神戸製鋼所が買いやすい。
表に株価を入れ忘れました。
 (2023.11.10終値)
 日本製鉄  3253円 
 JFE   2146円
 神戸製鋼所 1700円

配当金の推移

配当利回り4.5%以上の3社ですが、過去の減配や無配の様子を確認してみたところ、配当利回りが良いのは2022年からでそれまでは減配や無配もあります。推移をグラフにしてみると以下の通りです。

配当金推移_IR BABKのデータをもとに作成

セグメント別売上構成比

セグメント別売上構成比 各社決算資料2023通期予測売上高から

各社のセグメント別構成比率を見てみると、製鉄の割合は日本製鉄で90%、JFEHDで64%神戸製鋼所は41%となります。もともとの規模から考えても、日本の鉄鋼のほとんどが日本製鉄の事業であるということがわかります。神戸製鉄所は電力や機械などにも力を入れており鉄鋼だけに依存しているわけではないようです。

株価の推移

1年、10年、20年の株価の推移を3社並べて見てみます。
青:日本製鉄 オレンジ:JFEHD 水色:神戸製鋼所

日足 1年
週足 10年
月足 20年

3社足並みそろえての値動きです。
最近は上昇傾向ですが、2015年6月の高値を超えているのは日本製鋼だけ、2007年7月の最高値には3社とも全く手が届いていません。

(余談)神戸製鋼所はスイングトレードデビューの銘柄です。
今年の1月、670円でin、685円でout
持っている間、毎日値動きにビビりまくり耐えられずにoutました。。。
あのまま持っていれば。。。。

鉄鋼業界と鉄鋼3兄弟の今後

鉄鋼は斜陽産業か

鉄鋼産業といえば日本の高度経済成長を支えてきた花形産業。「鉄は国家なり」なんて言葉も。鉄は建設、機械、自動車、あらゆるものに使われており必要不可欠な素材です。しかし、高炉が次々と休止しています。

日経新聞

鉄鋼需要は今後どうなるのでしょう。

経済産業省_金属産業の現状と課題(令和3年12月)
経済産業省_金属産業の現状と課題(令和3年12月)

世界鉄鋼需要量の推移

単位:億トン出所:worldsteel(世界鉄鋼協会)(注)最終鋼材ベース  日本鉄鋼連盟HP

世界の鉄鋼需要はこれからも伸びていきます。

世界鉄鋼協会(以下worldsteel)によれば、2023年の世界の鉄鋼需要量は18.2億トン、2024年は18.5億トンと予想されており、長期的に見ても世界の鉄鋼需要は拡大傾向が続きます。(世界の人口増加予想や経済成長予測等を踏まえると、粗鋼生産が2022年の18.8億トンから、2050年に約27億トン、2100年に約38億トンに増加するとの試算もあります。)↓

日本鉄鋼協会HP

国別に見た鉄鋼製品のおもな輸出先(2022年)

日本鉄鋼連盟HP

脱炭素化・カーボンニュートラルの流れ

日本においてCO2を一番多く輩出するのは製造業です。そしてその製造業の中でも鉄鋼業が3分の1を占めています。

 国内部門別CO2排出量

国内部門別CO2排出量 資源エネルギー庁HP

製造業の業界別CO2排出量

製造業の業界別CO2排出量 資源エネルギー庁HP
経済産業省_金属産業の現状と課題(令和3年12月)
経済産業省_金属産業の現状と課題(令和3年12月)

グリーンスチール 高炉から電炉へ 水素還元製鉄技術の開発

低CO2鋼材「グリーンスチール」の提供は官民共同の取り組みとなっています。詳しくは ↓ をご覧ください。
鉄鋼業のカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について

日本製鉄 カーボンニュートラルビジョン2050

2023年度2Q決算 説明会 資料

結論

高配当株として超長期NISA枠候補としての検討結果

これから先も鉄は必ず必要なものであるし、今後、製造方法や過程が変わる、あるいは新しい素材が開発されるとしても、今回取り上げた3社はその先陣を切って鉄鋼業界をけん引していくのだと思います。
3社から長期候補として自分が一つ選ぶとすれば5401日本製鉄となります。
時価総額、売上高が最も多いことも理由の一つではありますが、水素還元技術の開発など国の受託事業の幹事企業でもあり、これからも中心企業であり続ける可能性が高いと思ったので。といっても、では、JFEではだめなのかといわれると、そこまでの違いはありません。
しかしながら、超長期NISA枠での購入は見送りです。
GXは国策ではありますが、やはり今後の開発がどうなるのか、規模が大きいだけに不安要素も多い気がします。
また、現在は高配当ですが今後は減配や無配となる懸念もあり、長期ほったらかしでインカムゲインを狙うには不安定です。
これらのことから超長期NISA枠対象とはならないと判断しました。

短期スイング候補としての検討結果

5406神戸製鋼所、どうでしょう。
決算は悪くないのに落ちました。
もう少し落ちてくれれば拾いに行きたいところですが、ちょっと微妙なところです。月曜日に下がるようなら(上がりそうだけど)・・・

おまけ(雑談)

鉄鋼といえば「しんにってつ」(音で頭に残ってる)って思ってました。新日鉄釜石とか(年ばれる)。
そして、鉄鋼といえば「華麗なる一族」を思い出します。今回、鉄鋼業界を調べていたら、高炉建設に命を懸けた主人公と鉄鋼マンの姿が頭から離れなくて(何回もドラマ化されてる)。あんなに切望した「高炉」が今、休止、閉鎖になるなんて、物語の舞台である1960年台には想像もできなかったでしょう。主人公の製鉄所に「高炉」で作った鉄を供給する大手鉄鋼会社のモデルが「しんにってつ」より前の「八幡製鉄」現日本製鉄といわれています。主人公はとにかく自社で「高炉」が欲しいと奔走し、夢破れ、、、
「華麗なる一族」また読みたくなりました。

最近、株を買うため(勝つために)に企業について調べたり、同業界の企業を比べたりしているのですが、特に大手はその変遷が面白くて、全然どうでもいいことを掘りまくって時間がなくなるという、何やってんだ状態になってます。
これ調べるよりチャートノックした方がいいよなぁと頭の隅で思いつつ。
時間配分考え直します。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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