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イベント参加レポート: DevLOVE「専任兼任問題を考える」

どんなイベント?

 タイトルのとおり、「専任兼任」の問題(主に兼任)について考えるイベント。きっかけはDevLOVEファウンダーの市谷さんが関わる現場で、兼任化が進行していると感じたこと。

いわれてみれば、「兼務」というのはカジュアルに行われるようになったように思える。様々な組織がマトリクス化した、フラット化したなど様々な背景があり、「そもそも人手不足」という、みもふたもない理由もあるだろう。果たして専任兼任は、いまどのような状況にあるのか。どのような課題を生み出しているのか。

論点提供:takaradaさん

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情報基盤の企画設計運用と利活用促進
コードよりもパラメータ・権限・運用設計がメイン
本社ー事業部門ー会社…という大きな組織。万単位
情報基盤はそれらに横断的に関わる

 会社・事業部門をまたいだ兼務はあまりなく、ひとつの組織で完結しない案件が兼務につながる。機能的に凝集されたところで起こりやすいのかもしれない。

 「兼任というよりもボトルネック」という表現は「うっ」となった。マネージャー層は兼任化しやすく、結果としてボトルネック化しやすい。
とりもなおさず「横断的に物事をけん引できる人」がブラックホールのように業務を引き寄せ、兼任化していくのではないか。takaradaさんの話を聞きながらそう感じた。

 「兼任化が進むことで経験値がたまり、できるようになってしまう。それでさらに兼任化が進む」とのtakaradaさんの弁。まさにブラックホールだ。

 「専任できる状況をつくるために兼任できる人を増やすのが私の環境では変化に結びつきそう」という観点は興味深い。

論点提供:Tomoyaさん

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某金融系企業に入社、システム子会社に出向中
メインフレームでキャリアをスタート
2年ほど前からアジャイル導入を検討し、今年から本番プロジェクトで適用
パイロットプロジェクト時代からプロダクトマネージャとして活動
重心は育成にある

 機能分化した縦割りの組織で、分業体制ができあがっているとのこと。
リソース効率を最大化する傾向にあり、5-6個の案件を持っているのが当たり前の状況。5-6個というと、一週間のうち毎日違うことをやっているようなものだ。そこで発生する課題は以下のとおり。

ある案件作業がひっ迫すると他の案件のタスクに避ける時間がなくなる
マネジメント業務でほとんど時間が取れない
スクラムイベントに人がいないためチームの意思決定がままならない
これないひとは「申し訳ねぇ…申し訳ねぇ…」状態
育成する相手が来れない

 コロナショック当初は、従来の案件において変化を受け止める余裕がなく一律ストップ。結果としてチームへのコミットが増えたというのは興味深い状況だ。(そして、再開後は滝のように兼任問題が顕在化してきたとのこと・・・)

フィッシュボウル形式の対話

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後半は「フィッシュボウル」という形式での対話。

前半のお二人の話でわかったのは、「兼任」という言葉がさすところには幅がありそうということだ。

フラット化で兼任が進んだ

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 縦割りだと兼任は高コストだった。スキルセットが異なるし、利害さえ異なるためだ。
 それが、組織のフラット化が進みサイロが解体されたことで兼任へのハードルが下がった。それは兼任が増えている一つの要因になっていそうだ。

しかし、コトはそう単純でもなさそうだ。

縦割りでも兼務が起きている

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 人手が足りない、炎上・・・大企業だから人はたくさんいるはずなのに、人手がとにかく足りないようだ。「6等分したピザを1人が6種類もっている状態」とは言いえて妙。

 「手があくことをよしとしない文化」。こういった文化がはびこるところではリソース効率の最大化を是とし、兼任化が進んでいきそうだ。

 「兼任が進むことでトラックナンバー1にもなってしまう」というのはかなり辛いが、兼任化が進行し、かつ一度兼任になったら抜け出せない状況を作り出しているのかもしれない。

兼務の優先順位は属人化?

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 さきほどのトークで、兼務している人のタスクが遅滞するという話があった。それを受けて「優先順位は兼務している人が決めているのか」という質問が出た。ここは、暗黙の優先順位が働く場合がある。

CPU使用率100%

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 リソース効率を最大化しようとしているのは、CPU使用率100%でブン回し続けるようなものなのではないか。
 そして、タスクを振る側はそれが見えていない。自分が振ったタスクしか見えていない。そのせいで、末端では見かけのリソース効率が最大化しているのだろう。

オレのタスクは重要だ!

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タスクを振る側が、自分のタスクこそが最重要だと信じて振ってくる。全体としての優先順位が整っていないと、こういうコンフリクトは起きる。

兼務に直面したとき、どうするべきか

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全体での優先順位を定めるのが、上の役割。
現場のリアルな状況を伝えるのが、現場の役割。
ポートフォリオを組んで、構造化して、可視化していく。
この構造化したものを、特定のレイヤーだけで切り取ってみてしまうと分断が始まる。

話せば話すほど、透明性と検査と適応が大事なのではないかという確信めいた思いが沸き上がってきた。

解決が容易でない問いと向き合う

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フィッシュボウルでの対話は大いに盛り上がった。最終的に、「兼務とどう向き合うのか」というところに対して明確な答えは出なかった。
しかし、こういったすぐには答えが出ない問いと向き合うことは重要だ。そういった課題と、1人ではなく同じ課題を抱えている人たちと向き合う。今日はそういう有意義な機会だった。

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