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【デブサミ2020】セッションレポート:14-A-7 TOYOTA x Serverless x Microservices 〜 グローバル展開のコネクティッドカーを支えるアーキテクチャとエンジニアリングチーム

概要

登壇:浦山 雄也[トヨタ自動車]さん/松本 崇之[トヨタコネクティッド]さん/内海 英一郎[アマゾン ウェブ サービス ジャパン]さん

TOYOTAの中でもチャレンジングなチーム

はじめての大規模サーバレス
はじめての大規模アジャイル

なぜTOYOTAがサーバレスを選んだのか

TOYOTAのコネクティッドサービス
・接続先が多岐に渡る
 ・エンドユーザー
 ・企業
 ・官公庁
変化するアクセスへの対応
・これまでは常時MAX値で確保していた
・サーバレス化し必要な分だけプロビジョニングするようにした
長いライフサイクルへの対応
・平均8.5年乗る
・新たに価値を生まない維持/保守のムダ
・サーバレス化することで負荷をクラウドベンダーにアウトソーシング

Mobility Gateway

クルマと地域サービスを双方向につなぐゲートウェイ

・一貫して分割
・自立・緩やかに統合
・ステートレス

アーキテクチャ

・Nティアー
・ウェブ・キュー・ワーカー/イベントドリブン
・マイクロサービス

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車載デバイスと地域サービスの仲介役、というメタファー

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・リアクティブスケーリング型とプロアクティブスケーリング型
・スパイキーなアクセスがきているときはプロアクティブな動きがしたい
・ここを使いわけているのが特徴
・ワーカープロセスはすべてLambda

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チームエンジニアリング

どのようなチームを作ったのか

・セオリーはマイクロサービスの境界にあわせたチーム
・クルマと地域サービスがなければサービスが成り立たない。小さく自律は現実的ではない

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責務にあわせてチームを切った

SoEチームとSoRチームに分けた、的な感じか。ライフサイクルが異なるところを同一チームで同期させるのは厳しいから、そうなるよね。

・最後は元に戻す
・1チームまず戻してみて、なにが課題かを洗い出す
・だんだん生産性を戻していく

現実にあわせて、あえてチームを分断し段階を経てセオリーにあわせてゆく戦略。地に足がついてる!

・車載デバイスや開発のスキルはあったが、それ以外はなかった
・全員で勉強しながらスキルアップしていった
・最初は全然、生産性が上がらなかった
 ・お客様のフィードバックがすぐには得られない。正しさがわからない
 ・プロに教えてもらう。アジャイルコーチを招致した
・今度は改善するべきポイントがたくさん見えてきた
・作ったアーキテクチャが正しいのかわからない
 ・プロに教えてもらう。AWSの人に入ってもらう
・あと一歩という感触があった
・勉強会を実施
 ・AWS黒帯の人を中心に実施
・メンバーの追加
・ナレッジ集約を実施した

段階的にステップアップしていく設計が見事だ。さすがカイゼンマインドのTOYOTAといったところか。

達成できたこと

目的:「圧倒的スピードでお客様へ」を実現するため価値を生まないムダを徹底削減

・運用コスト50%削減
・その分、開発に投資できた
・開発サイクルが高速化
 ・1ヶ月あたり624回のデプロイ

感想

AWSのアーキテクチャだったり、ライフサイクルが異なるシステムにあわせたチームフォーメーションだったり、なにより段階的な成長設計がなされていたりTOYOTAの本気を感じた。

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