糖尿病と麻酔 #2

昨日は糖尿病に詳しい内科医の友人と久しぶりに長電話することが出来たので、つい「糖尿病と麻酔」なんて記事を書いてしまったが、持っている本でサッと勉強できる内容で、かつ、麻酔薬も関与してる話は外科手術の際に切られたストレスに応答して出てくる抗インスリンホルモンによって血糖値が上がる(外科的糖尿病)という話に関連するもの以外見つからなかった。
漫画の銀魂に「一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすんだよ」という名言があるが、まさにこれの典型例である。
つまり、昨日書いた記事には「明日に続く」と書いたものの、ほとんど続くべき内容は無かった。
ので、昨日と重複するかもしれないが、引き続き外科的糖尿病の対策の話を書く。(そして、文末に「明日に続く…」なんて明日の自分に対して無責任なことは書かない。)

外科的糖尿病について、昨日の記事では侵襲刺激によって抗インスリンのホルモンが出るという話はしたが、それによってなぜ糖尿病になるかまでは書いてなかった。
まず、抗インスリンのホルモンとしてアドレナリン、ノルアドレナリンがあるが、これらは肝臓にストックしてある糖の塊(グリコーゲン)をエネルギーとして利用可能な糖(グルコース)に分解するよう促す働きがある。金庫から貯金をおろすように糖の塊から利用可能な糖を出す反応を糖新生と呼ぶ。手術のような体へのダメージが検知された際にはアドレナリンが出て、糖新生が3割ほど亢進する。
また、他の抗インスリンホルモンなどの働きによって、本来インスリンが来た際に糖を利用する肝臓、筋肉、心臓の糖利用が減少する。
まとめると、抗インスリンホルモンの働きで、糖の塊が糖になって血流にたくさん放出されるのに、それを使う臓器が糖を利用しない状態になるので、結果的に血流が糖まみれになる(血糖が上がる)わけである。

また、麻酔によって手術による抗インスリンホルモン(ストレスホルモン)が出る量を抑えられているという話を昨日書いたが、具体的にどんな麻酔薬が該当するかまでは書いていなかった。
レミフェンタニルは使った量の分だけ(用量依存的に)ストレスホルモンの出る量を抑え、さらに、レミフェンタニルと併用して静脈麻酔(プロポフォール)を使う場合、レミフェンタニルと吸入麻酔の併用よりもストレスホルモンの出る量を抑えられるという。
レミフェンタニルとは医療用の麻薬で、麻酔を使って手術をする際に痛み止めとして使われる。
私が初めて見た手術でもこのレミフェンタニルとプロポフォールの組み合わせで全身麻酔をしていた。

もうほとんど参考にした本の丸写しだが、一応自分の言葉で医療に詳しくない人にも説明するとしたらという言葉遣いで書き直してみた。
用語っぽい部分で不明な点があったらコメント等で教えていただけると、勉強になって嬉しい。

参考:


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