糖尿病と麻酔 #1

ニートになってから失ったものは多いが、少しだけ得たものもある。
毎日祖母に代わって面倒を見ているネコの信頼、アラサーニートが世間からどういう眼差しを向けられるのかという学び、そして、友人の詳細な近況報告である。
内科医になった友人はまだ駆け出しだが糖尿病に詳しく、かつて医学部を目指して浪人をしていた私におさがりの参考書を貸してくれた。浪人が決まったと報告した時に優しくしてくれた彼は、アラサーニートになった今の私にも優しかった。ニートの話し相手になってくれる中で、個人情報の漏洩に抵触しない範囲で色々と糖尿病の現場を教えてくれる彼に触発されて、私も糖尿病と麻酔についての関係をちょっと調べてみたくなったので、この記事に調べたことをちょっとずつまとめていこうと思う。

糖尿病(2型)の人が手術をする際に注意が必要なこととして、術後のインスリン抵抗性があげられる。
これは、外科手術による体へのダメージに対してストレスが生じ、交感神経が活性化して、インスリンに抵抗するホルモン(グルカゴン、コルチゾール、アドレナリン、成長ホルモンなど)が出るためである。
「インスリン」という専門用語を出したが、これは血糖値を下げるホルモンで、手術のストレスによってこれに抵抗するホルモンが増えてしまうということを上では言っているわけである。
ここで、手術によるダメージを受けているという情報(侵襲刺激)の伝達を脊髄を麻酔してブロックしてしまえば、ストレスに応答したインスリン抵抗性ホルモンが出てくるのを抑えることが出来るという話がある。
つまり、麻酔は手術中の痛みをなくすこと以外にも、手術のストレスによる血糖値上昇を抑えるという役割も果たしているわけである。
また、糖尿病の患者の場合、手術に使えない麻酔というのもいくつかあるようなので、これも麻酔を使う場合には注意しなければならない点の1つだと言える。
(明日に続く…)

参考:

https://www.jstage.jst.go.jp/article/ringe1963/32/2/32_2_128/_pdf/-char/ja


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