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意味とは? 「意味の3つの構成要素」

無意味を考察していくと、そもそも「意味」とは?という問いが湧く。
無意味を知りたいのであって、意味なんて知らなくて良いんだけど、
意味がわからないと、無意味もわからない。意味の構造について考えてみます。

「意味」は、発信者が受信者へ発信したものである。
受信者がどう受信したかも意味の成立においては重要だが、
あくまで発信者の主導によって意味は発生する。
また、発信者と受信者が同一であっても、意味の発信は発信者の主導である。

「意味」は3つの要素によって構成されている。
「意図の多寡」
「意図意識性の強弱」
「意味性の強弱」
この3つの要素によって、意味の意味性が決まる。
要素一つづつ紐解いていこう。

「意図の多寡」

発信者が意味を発生させるきっかけは、意図の伝達である。
意図は、意味が要素分解したもので、主の意図とともに、副意図も大抵の場合内在する。例えば「お腹すいた」という発信者の発信した意味には、「私は空腹です。」という状態伝達の主意図とともに、「食べ物をください」「お菓子を持っていませんか?」「うどんを茹でてください」など言語構成と直接結びつかないが、内在している副意図が存在する。
同じ「お腹すいた」でも発信者の込める意味によって、意図の多さ、少なさは変わり、ただ「ハラヘッタ」という状態伝達の場合もあれば、「眠さもあります」「パンは嫌です」「そろそろ13時かな」「朝ごはん干し柿一個だったしな」「食事を用意してください」「エビを触ると手が臭くなって嫌だな」「トイレ行きたい」と複数の副意図が込められている場合もあります。
発信した言語の「主意図」とは別の「副意図」の多寡がまず意味構造の一つです。

「意図意識性の強弱」

「主意図」「副意図」を発信する際、どれだけ意識が込もっているか、無意識から発生しているかも意味を構成する要素の一つです。
例えば、「お腹すいた」という主意図に「おにぎり食べたい」という副意図があった場合、「昼食用に作ったおにぎりを食べよう」という意識の強い副意図もあれば、「昨日Youtubeでフランス人がおにぎり食べた動画見たなあ」というぼんやりした副意図、「自覚無いけど、不意に海苔の香りがフラッシュバックした」という無意識の副意図である場合もあります。
「主意図」であれ「副意図」であれ意識性、無自覚性もまた意味の構造の一つです。

無意識、自覚の極端に薄い意図の存在によって、発信者であっても意味を完全に把握するのは不可能である事がわかります。意味を全て伝達するのも不可能ですが、発信者であっても意味を完全理解することはできなそうです。

「意味性の強弱」

意味は意図の集合である。発信者の発信した言語内容の「主意図」と、自覚的から無自覚的な複数の「副意図」によって構成される「意味」は、発生した地点からつながる、なんと言ったら良いか、「文脈」「前後の経緯」、より正確な言葉だと「縁起」や「因果」によって強さが変わってくる。
例えば「お腹すいた」という発信でも、断食ダイエット合宿7日目で空腹を乗り越え達観したと思ったら、突然とんでもないカウンター腹ペコが来た時と、日曜日遅いランチ2時間後でたい焼き屋が目に入った時でたお腹すいてないのに口に出た時では、内在する主意図も副意図も強さが違うと思います。
断食ダイエットの人は、「ハラヘッタ」の主意図ともに「空腹慣れしたと思ったのになんで!」「人体なんなの!」「効果実感!」「お腹すいたし、お腹すいた!」など想いの強い副意図が内在していると思います。
たい焼き見ちゃった人は、お腹すいていないけど食べものが目に入って、お腹すいていないのに口から「お腹すいた」と出た状態です。こういうとき、頭の中は何も考えてなく、たい焼きを食べたいと思ってもいません。主意図すら意図が弱く、自覚的な副意図もなく、無自覚的な副意図は「お腹すいたって口に出したい」位のものでしょう。なんと平和な状態。ぜひたい焼きをつい食べて、思ったより美味しく無いなまでやってほしいです。

おしまいに

この3要素が意味の構造です。
「主意図」と「副意図」の関係と、意識性の強弱をどう構成されているかは、意味においてとても重要です。
主意図より副意図が発信者の思惑であることもあれば、意識的な意図よりも無意識の意図の方が意味の本質であったりもします。
また、今回は発信側だけで解説しましたが、意味は発信者が発信し、受信者が受信して発生します。受信者の受信によっても意味は変化します。
また一つ複雑になるのでまた今度。

今回この考察によって、幼少から無意味に惹かれて生きてきたけど、完全な無意味ではなく、意図が少なく、無意識的で、意味が強いものに惹かれているのでは?と、長い人生の価値観が崩れて、戸惑いました。
ただ、これは無意味に対しての理解の解像度が上がったという事でもあり、今後の考察の進歩とも言えます。
思いつきで始めたnoteが、こうも身を削るとは思いませんでした。
やっと記事化できた。よかった。

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