慮ろうか



廃墟(そのあとの、世界)

生活の痕跡

時間の痕跡

痕跡、あったことの


そこから流れ出している


地下道
石壁
 あの濡れた道である
はじまり


いま世界に陽がさした


石造りの遺跡が、
その表面が
風雨にさらされて

巨木に埋まってゆく偶像
極楽鳥
このほしに埋もれた
生活の


なにかがここにあったこと
不在の痕跡が
その抜けた穴だけが
ある

読めない筆跡
半分だけのお顔
弧をえがかないアーチ
みなみなさま


――ひとつにはこうのたしょうをはかりかのらいしょうをはかる



昔学校でさ、金魚を飼ってたんだ。
クラスのみんなで餌やったり水替えたりして
でも、そのうちすぐ死んじまった
泣き出すやつも少なくなかったけど、
おれはさあ、笑うほうがいいような
気がしたんだよな

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