そこにいました

あの山で人がしんで
しろい花弁の振りつもる
乾いた晴天
ひとり
ひとり
ひとり また
もういなくなって
そのたびごとに
うつくしい座敷
(ブロック塀の透かし)
川をながめる
(缶ビールと、子どものためのジュース)
あの山で人がしんで
それももう
だれが語り・つぐ
四月一日や
帰郷
再会 それらに
なにを期待していたのだろう
振りかえれば
青い山脈やまなみだけが
ただもう
もう

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