8→SE
iPhoneからiPhoneへの機種変更。もう何度目だろうか。初代→4s→SE→7→8→SE。
6度目だわ。そりゃあAppleも世界一になるよね。でも今回は初のAppStore買い。つまり通販。自分は初代iPhoneからずっとソフトバンクなんだけど、最近iPadに無駄に金払ってたことが発覚して解約しようとしたら違約金かかるとか抜かしやがったので違約金がかからないタイミングである10月11日にすべて解約して、Wi-Fiから何からソフトバンクからの脱出を図ろうとしてるんだが、もうひとつ腹が立つのはソフトバンクショップである。もっというとキャリアから委託されてスマホを販売してるショップのすべてに嫌悪感がある。一生懸命働いている人だっている。みんなに好かれてる店長だっている。理解できないおばあちゃんに親身になって懇切丁寧に教えてる店員さんだっている。その人の夢は常磐ハワイアンセンターで踊り子になること。そのためのフラダンス教室のお金を貯めているんだけど、コロナでリモートでフラダンスしたら下の階からクレームが出ちゃった。そんなことはどうでもいい。
通販でも意外と簡単に機種変更できるよ。という話である。
1.届く
買ったら届く。あたりまえである。カウカウが体操にするまでもなく、普通に段ボールに入って届く。いつもアップル製品の説明書の薄さにカッコ良さと同時になんとなく頼りのない不安が滲み出るんだけど、機種変更となって、さらにその頼りなさ、不安、寂しさ、絶望、切なさ、愛しさ、心強さが襲ってくる。でも届くには届いた。電源も入る。「こんにちは」と言われる。お前、俺が日本人だって、誰に聞いたんだ?
2.SIMカードを入れ替える
なんか旧iPhoneの右横に小さな穴が空いてる。これをギュッと押す。針とかで。最初は反応しなくて不安になるけど、気にせず押す。押し込む。すると「カチッ」て言って、四角い板状のモノが出てくる。四角形の端っこが屋根みたいに削られた形の、頼りない、薄い板。SIMカードだ。これを取り出すと、さっきまで「Softbank」って書いてあった旧iPhoneが「SIMなし」になる。わかりやすい。お前は今日から「SIMなし」だよ。湯婆婆に名前をとられたかのように、なんだか旧iPhoneから魂が抜けたみたいになる。でも大丈夫。Wi-Fiはつながる。電話と通信だけなんだわ。SIMカードにできることと言ったら。そして、新iPhoneにSIMを差し込む。「Softbank」と表示される。よし、いや、クソが。すぐ解約してやるからな。
3.iPhoneがiCloudでなんかやってくれる
最近のiPhoneは本当にすばらしい。アプリとか、メモ帳とか、メールとか。そういうのの移行は全部勝手にやってくれる。具体的には新iPhoneが「旧iPhoneの近くに僕を連れてってよ」みたいなことを言う。なになに〜昔のiPhoneが見たいの?そうなの〜と言いながら近づけると、ぐんぐん吸い取っていく。データを。人造人間19号のように。触れてもいないのに。ヤムチャが瞬殺された時のように。これはマジで感動した。もう店に行く必要ないわ。マジで。店の人がささっとSIMカード取り出すの見たときはカッコよ!と思ったもんだが、そんなの今の俺でも5秒でできる。ちょっと苦戦したって17秒だ。
4.LINEの移行
昔スマホショップで機種変更したらLINEのデータぜんぶ消えたことがあった。目の前の死んだ魚の目をした店員に文句言ったけど口をパクパクさせて酸素を求めるばかりでまったく進化する気配がないのであきらめた。LINEの移行をミスると割と傷つく。もはや連絡取れなくなる人だっている。とても面倒くさい。その点トッポはすげーよなー。このネタがわかるのも90年代に青春を過ごした30代以降になりつつある。その点、最近のLINEはすばらしくて、移行のためのボタンがついており、35分だかそれくらい以内に新iPhoneでLINEを立ち上げてちょちょっとやると一瞬で移行が完了する。死んだ魚の腐臭にやられることもない。あれは新宿のショップだった。あの日は街が腐って見えた。
5.モバイルSuicaの移行
ここまで来れば後は赤子の手をひねるが如きである。実際に赤子の手をひねるのは人道的にめちゃくちゃハードルが高いだろうが、もう少しラジカルに物理的に具体的に生きていきたい。これも旧iPhoneで「削除」して、新iPhoneで「登録」するだけなのである。簡単。最初コンビニで移行前に払おうとしてミニパニックになったけど、2年ぶりに「クイックペイ!」と叫んでなんとかなった。ありがとうクイックペイ。ダサいからもう二度と言いたくないよ。
こうして無事に8からSEへの移行ができた。起動しなくなったカメラも、即ゼロまで落ちる充電も、もう思い出すことはないだろう。なぜSEがいいのかは、一重にそのコンパクトさである。昨今の大画面化には辟易としているのだ。とにかくコンパクト路線に舵を切ったのだが、賢明な読者ならお気づきであろう。(自分が本を読んでる時に賢明な方に入ったことがないが、)8とSEはまったく同じサイズである。
あの時のSEはどこへいったんだ。と、死んだ魚の目になって思った。
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