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もしもネットがなかったら2
気がつくと、電車内の手すりと扉の間(通称:三角地帯)に立ちつくしていた。今のはなんだったんだろう?白昼夢か?車内の電気はついている。でもなにか違和感を感じた。なんだろう?スマホに目を落とすと、電波は届いているようだが、ネットが繋がらない。さっきの停電と関係あるんだろうか。震災でもつながっていたtwitterでさえ、不通だ。
改札を抜けて、地上に出る。どうにも違和感がある。耳がおかしいと思ったがそうじゃない。いつもより「うるさい」のだ。小さな声が重なり、ガヤガヤとした音が聞こえる。オフィス街ではこのような活気は珍しい。そうか、分かったぞ。みんな、電話をしているんだ。正面から歩いている人が話している。「だから、設計図を持っていくから。それ見ながら話そうぜ。」建築関係だろうか。メールすればいいのに。すれ違う人々がみんな電話をしている。「じゃ、18時に駅の改札前で。」改札前って言葉、久しぶりに聞いたな。「それさあ、FAXできない?」FAX?なんだか怖くなってきた。
仕方がない。とりあえず出社しよう。会社に行けばいろいろ分かるだろう。出社してみたら、想像以上にヤバいことになっていた。
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