2016カンヌで気になったやつまとめ

2016年度のカンヌで、面白かったコンテンツをまだ新鮮なうちにまとめます。行ったわけじゃないけど、ネットで見てて。全体的にあたらしい潮流みたいなものは見つけられなかったんですけど、ソーシャルグッド飽きたわーってのは感じます。ちゃんとビジネスに貢献しながら、社会的なパーセプションチェンジ(あたらしい価値観の提示と、それによる行動の変化的なこと?)までいけてるとすばらしいって感じでした。


#OPTOUTSIDE

アウトドアブランドのREIが、アメリカのセール時期「ブラックフライデー」(すげー黒字化するからこう呼ばれている)に、「働くんじゃなくて、もっと外に出ようぜ。まずは従業員から」という意味を込めて、"OPT OUTSIDE"を合言葉に、全店休みにしちゃうという施策。そのための屋外広告やら映像やらつくって、すごく大掛かりに「休む」っていう勇気のあるコンテンツ。インテグレーテッドやプロモ&アクティベーションで受賞していました。こういうのって、もはや「経営判断」だから、そこまでの関係性をプランナーとクライアントが築けてることがすごいなと思ったし、「売り上げ一時的に下がってもいいいから休む!」っていう判断ってカッコいいなと。株主怒りそうだけど、結果的にはPR効果で短期的な売り上げもあがってるのかな?長期的な効果の方がありそう。リクルーティングとか。こういう会社に入りたいと思うし。ブランドらしさがしっかり表現されていて、すばらしくおもしろい案だなーと思いました。


Love freebies? Get them Legally.

昨年のクリスマス施策も面白かったハービーニコルズという百貨店の「お得なサービスかなんか」の告知のための映像。防犯カメラに写っている万引き犯をそのままコンテンツにするっていう、皮肉っぽいユーモアが効いてる。本当に伝えたいことのそばの「おもしろいこと」に注目して、無理やり言いたいことに落とすっていう手段は広告の王道的な手法なんだけど、メディアデザインに凝らずに、表現で勝負してるところがカッコいい。ともすれば生っぽくなって笑えなくなってしまう素材を、イラストと音楽でエンターテインメントに昇華していて、その塩梅の部分、センスの部分が絶妙です。


FU2016


これはちょっと説明しないとわかりにくいような映像なんですけど、NETFLIXがつくったこの世でいちばんおもしろいドラマ「House of cards」の告知のために、実際の選挙運動中に、CNNの討論番組の間に流れたCMです。選挙ドラマのCMを選挙番組で流すっていうのは、思いつくかもしれないいんだけど、実際の選挙っぽくサイトつくったり、グッズつくったりするのって、多分、今のトランプとかヒラリーとかの選挙運動そのものを小馬鹿にしてるような皮肉やユーモアも入っている気がして、それがカッコいいと思うんですよね。実際、この大統領の名前書いて投票したくなるというか。日本だと「総理と呼ばないで」というおもしろいドラマがあったけど、さすがに現在の政党を揶揄するようなことはやってなかった気がするなあ。


Life is Electric

こういうの大好きなんですよ。理系だし。教育とアートをちゃんとエンタメに昇華してるNHK的なコンテンツ。人力飛行機を電池で飛ばすプロジェクトも好きでした。鳥人間だったし。今度は逆に電池に戻すプロジェクト。シンプルだけど本質的で、小学校の科学実験のようなかわいさがあって、いいんだよなあ。ちょっとだけひっかかるのは、これをカンヌで知るっていうことですかね。先に話題になっててもよかったのに。展示会とかあったのかな。そこで映像見てから、この電池を買って帰るみたいな体験がしたかったー。



気になったのはこんな感じです。あとはAIとかVRとかももちろんあったけど、やっぱり「あたらしいしあわせの提示」っていうコピーライティングや広告の基本に忠実な表現が強いなと思いました。そこに「今までの常識をちょっと皮肉る」ような毒とユーモアのあるトンマナが好みです。そういうの、やろう。





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