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23.辛かったできごとpart4

フリー素材の写真を探しているだけで
胸が苦しくなることがありました


長男が小学校にあがった年の冬のことです

市内ではバスで1時間半ほどの場所にあるスキー場への
スキー日帰りツアーというものが毎年開催されていました
対象は小学生中学生とその家族
リフト代と高速バスで移動する交通費と合わせて一人2000円とか
そのくらいの手頃なお値段で参加できるものでした

モラオはスキーが得意でこども達は小さいころから雪山デビュー
最初はそりから始まって
小学校に上がる前にはキッズゲレンデでプラスチックのスキー板で
練習できるようになっていました

小学校にあがるしこども用のスキー板も買ってそのツアーに参加しました

ちなみにワタシも若いころはブームにのってスキーを楽しんでおりました
お友達と行先をきめ、車を運転して自力で行ったり
遠くの場所はバスツアーなどに行っておりました

モラオと行くようになってからは全然好きじゃなくなってました
理由を考えてみると
行先はモラオが勝手に決める
相談しているふりをしているが
ワタシの話はまるで聞いていない
滑っているときも
ワタシは初心者なので上級コースは行きたくなかったのに
大丈夫だからと無理に連れていかれ
半べそで降りてきたり
そろそろもう終わりにしたいと言っても
じゃああと2本ね!
などと勝手に決められもうスキーが大嫌いになってました笑
それでもこどもたちは普通に喜んでいるようだったし
下の子がまだまだ小さかったので
一緒にスキー場へ行ってワタシは次男とそりゲレンデで遊んでいて
モラオと長男はリフトに乗って
という感じでした

さて
スキー教室ですが
その年の1月のある土曜日に開催されました

ワタシはバスが苦手で(乗り物酔いが酷くて)
時間も9時から3時までゲレンデでと決まっているツアー
そりゲレンデだけでそんなに長い時間ちょっときついと思い
ワタシと次男は留守番
長男とモラオだけで参加しました


昼頃に長男から電話がありました
元気だよ
楽しいよ~~

ああよかったと思いました

次男はひとりでお留守番でちょっとつまんないと感じていて
たまたまワタシの従弟が遊びにきてくれ
一緒にゲームをしてくれていました

次男も話したいというので電話を渡しました

いまねえ
〇〇くんと〇〇ゲームしてるよ

次男は4歳です

そっちはどお?スキーたのしい?なんて
言わないですよね
自分置いてきぼりくってるので
自分のことを話すものです

すると長男は

いいなあ~
ゲームいいなあ

と言ったそうなんです


そして夕方
集合場所に車で迎えにいくと様子がおかしい
長男に笑顔はありませんでした

すぐに異変に気が付いて
どうしたの?
何かあった?
どこかでころんじゃった?

声をかけました

長男は何も言いません


するとモラオが
コイツ転んであごぶったから!

とすごく
ものすごくものすごく冷たくそういってきました


なるほどあごに擦り傷が

痛かったね
ころんじゃったの?

そういって抱きしめると
長男はわーわーしがみついて泣き始めました

まだ痛いのかしら
ずっと痛かったのかしら大丈夫かなと心配していると

さらにモラオが


コイツ
ゲームが楽しそう
いいなっていったんだ

ゲームの方が楽しいんだ!

とものすごく冷たく言い放った


そしていつものワタシを無視するあの冷たい目を向けてきた

背筋が寒くなった

まさかワタシに2か月無視を繰り返すあの態度を
まだ小1の息子にやったんだろうか

昼の電話だったから
そのあとからずっと

長男はこの初めての無言の恐怖から
集中力を切らし派手に転んでしまったようだった


書いていても
胸が痛くなる
言葉では言い表せないこの気持ちが
もう17年前のことなのに鮮明に湧き上がってくる

ゆるせない
ゆるせない
ゆるせない

モラオめ!!!!!!!!!!


ふたりしかいないんだよ?
バスでも隣に座っているのに
ずっとその態度だったのか

相手は7歳
怒るのなら
そういうことは言ってはいけないよ
とか
スキーの方がもっと楽しいよ
とか
そういう諭し方があるだろうに

ばかなのかモラオは


自分が無視された時なんて比べ物にならないくらい
怒りと
恐怖と
悲しみが襲ってきた

信じられない
人間のすることじゃない

どの面さげて普通の父親のふりしてるんだ

今でも一番苦しくなるできごと

自分が無視されるよりも
何倍も辛い
苦しいできごとでした


ワタシはモラオに
酷いことするんだね

と冷たくいうのが精いっぱいだった

傷ついたであろう長男のことが
心配でたまらなかった
でもどうしたらよいのかわからなかった
ぎゅうっと抱きしめて
だいじょうぶ
だいじょうぶだよ
と言ってあげることしかできなかった

ごめんね

覚えているかな
どうか忘れていて欲しいから
今 長男に聞いてみることもできない





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