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93.俺様の家族

オマエ 俺様の家族が嫌いだろう

何度もモラオから言われた言葉

別に嫌いではなかった
最初は嫁として
家族の一員になったと思い込んでいた

毒親から早く逃げ出したいと思っていたし
モラ父母の方が良識常識を持ち合わせていると思っていた

そう
この事件が起こるまでは


これが決定的となり
ワタシはこれ以後モラ実家へ出向くのが苦痛になった

ああ
嫁と思い込んでいたけれど
モラ父にとってワタシは嫁でもなければ家族でもなかった

と分かった瞬間だった


そう気づいてしまった以上
気づかぬふりをして
こちらからモラ父母ににっこり笑って近づくことなど
ワタシにはできなかった

おかまいなしにぐいぐい行く人も世の中にはいらっしゃるとは思うけれど
ワタシにはそれはできない

モラオもワタシのその性格は承知済み

それでも
ワタシの態度はモラオには気に入らなかった


毎月モラオの言う通りにモラ実家に行って
普通に話もするし
モラオのように無視をするわけではない
話しかけられれば笑顔で応対するし
モラ母には普通に話しかけるよう努力していた

モラ姉やモラ兄嫁さんにだってちゃんと話をしていた


それでも
モラオはワタシに
俺様の家族が嫌いなんだろう
という言葉を投げつけてきた

いや・・・

最初に拒絶してきたのは
そちらではないか

モラ父から

うちの家族に面倒なことを持ち込まないでくれ

とまで言われて

ニコニコと何もなかったように
接しろというのだろうか

そこまでの強心臓はワタシは持ち合わせていなかった


そもそも
間に立って仲裁すべきモラオが
逃げの姿勢でいるから
このようなことになっていうというのが
全く分かっていないモラオ


ワタシは決して嫌いではなかったよ

この先もずっと最後までお付き合いをするつもりでいた

ただ拒絶してきたのはモラ父母で

それを見て見ぬふりをしてきたのはモラオだ



納得のできる言葉ではなかった








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