FireShot_Capture_149_-__114__ワークマンから2900円で買えるMA-1タイプジャンパーが発売__-_You__-_https___www

WORKMAN(ワークマン)と「飾らない自分」という基準

ワークマンの人気が急上昇している。Google Trendsをみると一目瞭然だ。

従来のワークマンは「職人の作業服や作業用品を扱う店」という印象が強く、一般人が服を買いにいく店として想起されることはなかった。

ところが、2015年に一般のバイクユーザーが防寒防水ウェアを求めたことにより売切れ店舗が続出したことに端を発するカジュアル分野の強化、さらにカジュアルウェアのみを扱う新業態「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」を2018年秋に出店したこと、それをメディアが取り上げたことが契機となり、Google Trendsが示す通りの人気急上昇となった。

私もその頃、近くのワークマンに何度か足を運び、あまりの価格の安さに驚きを覚えたのと同時に、露骨な発色を放つデザインに好みが合わず、何も買わずに店を出ることを繰り返していたが、裏アルミのMA-1というシンプルな緑色、裏アルミ使用の圧倒的な防寒性、2900円という価格の驚異的な安さに惹かれ、即座にレジに足を運び購入した。このMA-1は大変な人気のようで、昨日ワークマンに足を運んだ時にはすでにLLのみを残し売り切れており、WEB 通販サイトでも売切れている。

『ワークマンの商品はプロが認める品質と機能を搭載し低価格である。』これがワークマンのエッジが効いたコンセプトだ。ワークマンのWEBサイトによれば、4象限で「高機能☓低価格」というぽっかり穴が空いたところに商機ありと見ているようである。これは、機能的なベネフィットだ。

この機能的ベネフィットを持つ商品を購入したことにより、職人以外の一般的な消費者はどのような情緒的ベネフィットを得たと感じるのか?

それは、圧倒的な機能性と低価格を併せもったワークマンの商品を購入したことによるお得感を、自分はもちろん友達や職場の同僚に「ちょっと自慢できる」情緒的ベネフィットがあると私は思う。

この「高機能☓低価格☓ちょっと自慢できる」ワークマンの商品を更に伸ばしていくとするならば、「ちょっと自慢できる」を突き詰めたほうがよい。

「ちょっと自慢できる」を体現する商品は、露骨な発色を放つデザインではなく、「飾らない自分」、すなわち日常に溶け込むシンプルなデザインだ。その方向性はユニクロの「LifeWear」と同じかもしれないが、ユニクロと異なる点は圧倒的な低価格と職人が認める高機能を併せ持った機能的ベネフィットと、そこから想起される職人気質の「飾らない自分」だ。

この「飾らない自分」がかっこいいとちょっと自慢できる情緒的ベネフィットを得ることができれば、今後も更に売上を伸ばすであろうと勝手に想像する。

インスタ映えを意識する時代は過ぎ去り、「TikTok ティックトック」の過剰な祭り感に飽きが生じ、自己主張しない職人気質の「飾らない自分」という基準が意識される時代が到来(再来)するかもしれない。

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