![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/140961671/rectangle_large_type_2_a9f7e9f549f8046eb063445315f3c0f0.jpg?width=800)
732日
夜にする散歩が好き。
家の近くには工場が沢山あって、昼でも夜でもお構いなく工場の稼働する機械音が聞こえてくる。
人影は無いのに人がいる気配がする。その中を自分もひっそりと息を潜めて歩く。
世界から隔離されて時が止まった自分は、前からの友人との懐かしい思い出話についていけたことは無い。あの頃に取り残されたままで、次第に別人のようになっていく友人たちの背中を見送るしかない。
そんなことを考えながら歩く。
銀河鉄道に乗れる銀河ステーションはどこにも無くて、屍体の液を吸う桜の樹もどこにも無くて、自分の事を百年待ってくれる人もどこにも無くて、寂しさに落胆すると同時に安心する。
そんな夜。
2024.5.18
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?