【ゲームレビュー】"HOPE LEFT ME", "Looking up I see only a ceiling"

Steamゲームレビューを補足含めて書けるように、noteを始めました。
Twitterにも画像でレビュー投稿をしましたが、上記2作品をプレイしての感想です。


Steamにも書いた内容

"HOPE LEFT ME"

目覚めると謎の場所に孤独で凍えて死にそう。あたりにはヘンな長袖ソビエト連合ジャージ少女しかいないみたい。(Steamより引用)

退廃的な世界を音楽とともに楽しむ。そんなゲームです。
夜中に薄暗い部屋でプレイすることをおすすめします。
(ホラー的意味ではありません)
プレイ時間として1時間程度で終わるストーリーとなっていますが、
会話の内容が結構抽象的でした。むしろそこが良かったです。

話の展開として明確な終わりがあるかと言われればそうではありませんが、
本作のキーワードの一つである”無意味”を考えてみると、
「こういう終わり方もアリだな。」と思えます。

それでもその先が気になったり...
その点では続編あってもいいのかなぁと思いました。

音楽だけでもプレイする価値は十分にある作品だと思います。


"Looking up I see only a ceiling"(邦題:上に天井がある)

ストレスを抱えた少女が、天井を探検しようとする短編心理アドベンチャー。(Steamより引用)

かなりサクッと遊べるポイント&クリック形式のADVゲー。
日々感じているストレスとそれが見える形になったものと対峙する少女のストーリー。
特にグラフィックから漠然とした不安感、主人公の感じている不快感を見ることができる。ただ、そこまで重々しく感じることはありません。

難易度が高い点もシステム上ないため、プレイしやすい作品となっています。


加筆編(注:ネタバレを含む可能性があります)

”HOPE LEFT ME"

本作の制作者Astrophysics。本作をプレイするまで聴いたことが無かったんですが、音楽活動がメインということで。
実は日本でもなじみ深い初音ミクを使った楽曲も作曲されてる様子。
(”Miku's Instant Crush”というタイトルだそうで。)
私自身音楽に知識があまり知識があるわけではなく、テクノかな?と思ったりもしました。

いざプレイしていくと、とにかくサントラとゲーム全体の雰囲気がマッチしてるんですよ。どっちベースで作っているかはわかりませんが、それでも引き込まれる感じなんです。

基本的にノアール調のデザインでVHSフィルターをかけると、よりどこか冷たさ・寂しさを感じるような独特の暗さを感じます。
それでいて宇宙的、何か宇宙空間を感じる雰囲気を楽しむことができます。

ストーリーとしては、人が消えてしまった世界で生きる記憶喪失の少女Sashaと彼女に助けられた同じく記憶喪失の主人公。理解しがたい世界のあり様とどうしようもない孤独感に混乱する主人公、冷淡に世界のあり様を答えるSasha、覚めたくもない眠りから覚める主人公、そしてSashaのとある目的のために寒空の中、二人は進むことになる。といった所です。

ゲーム自体のボリュームは少な目な部類であることは間違いないのですが、本作のテーマ(と勝手に私が思っている)は、無意味と無意味に対する決別。ある種、無意味を受容することといってもいいかもしれません。

なぜここにいるのか、なぜ自分は誰もいない世界にいるのか、不条理であり、理解不能な世界。押しつぶされそうな感情、そんな世界にいる二人。

例え何もわからず、行動が無意味であっても今更それがなんであろうか?ならいっそ賭けてみるという決断をしてもいいじゃないか。

そんなことをプレイ時間1時間で教えてくれる。そんな作品でした。
(ただ、個人的にはこの二人のやり取りがもっと見たいとも思ったり。)

実際にプレイしなければ、受け取り方や没入感を知ることはできないとも思います。是非、一度プレイされてはいかがでしょうか。


"Looking up I see only a ceiling"

こちらは、demo版の時からプレイさせていただいた作品です。
Steamのレビューでも書いた通りですが、日々の生活でストレスを感じている少女が奇妙な世界になった自分の部屋を進んでいくといった流れになっています。

ポイント&クリック方式であり、非常にシンプルな作りにはなっていますが、ストレスが感じさせる鬱屈とした様子が分かりやすく表現されているなと思います。

自分の経験談でもありますが、精神的に追い詰められているとき、押しつぶされている時というものは、見えるものが本当にねじ曲がって見えるんですよね。どこか暗く、見慣れていたとしても自分を拒否しているかのように映るものです。

ゲーム自体のボリュームとしてはかなり短いのですが、その点Milkシリーズよりもプレイのハードルは低いと思います。
個人的にはもっと外の世界の見え方にも触れていれば、より良かったのかなぁと思う所です。

ここからはちょっとしたネタバレ含め考察にもなりますが、作中に出てくる主人公に容姿の似た少年ですが、彼は主人公にストレスをあえて見せるためにいる存在ではないかと思います。飄々としているようで、主人公にストレスを感じているという”警告”をしているように思えます。特にカレンダーの件はその感じを受けましたね。

日々誰しもストレスを感じているとは言えど、その感じ方には程度もありますし、どんな形で現れるかも違います。とはいえ、その一端を知ることができる作品としておススメできるかなと思います。

Milkシリーズはじめ、こうした精神的な内容に踏み込んだ作品がより増えてもいいのかなと思うところであります。



といった所で今回は、上記2作品をレビューさせていただきました。
それでは、また別の作品で…

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