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2021年西東京市長選挙レポート

 1月31日、東京都西東京市長選挙が告示され、2月7日の投票日に向けて選挙戦が繰り広げられた。

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■西東京市長選挙立候補者

 2期8年を務めた現職の丸山浩一市長が今期限りで引退。新人による争いとなった。
 立候補したのは次の3人である。

池沢 隆史 61 無所属・新(自民党、公明党推薦)
平井 竜一 54 無所属・新(立憲民主党、共産党、生活者ネット推薦)
保谷美智夫 62 無所属・新

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  丸山市長は、池沢隆史副市長を後継指名し、自民党と公明党が推薦する。今回の候補者中唯一の西東京市生まれというのをアピールしている。もっとも、西東京市が誕生したのは2001年のことなのであるが…。

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 一方、野党側は平井竜一・元神奈川県逗子市長を擁立した。立憲民主党、共産党、生活者ネットワークが推薦している。なんでも逗子市長時代、共産党は平井市長と対立していたというのだから、まさしく呉越同舟である。

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 第3の候補者としてはスーパーマーケット西友の社員だという保谷美智夫候補がいる。西東京市は田無市と保谷市(ほうや)が合併しているが、保谷候補の苗字の読みは「ほや」である。

■ネガティブキャンペーン

 今回の西東京市長選挙、想像以上に激戦となった。こんな注目選挙であるにも関わらず、残念ながら十分にウォッチ出来なかった。田無や西武柳沢を訪ねたのだが、残念ながら候補者に会うことは出来なかった。

 激戦だけに、かなりのネガティブキャンペーンが飛び交ったようである。池沢陣営は、平井候補が逗子市長時代に市の財政を破綻させたと批判。

 一方の池沢候補には実際は西東京市ではなく杉並区生まれであるとの疑惑があった。

■2017年選挙結果

 4年前の市長選挙の結果を振り返りたい。与野党相乗りの丸山市長に、共産党・自由党推薦の候補が挑むという形で、現職市長が圧勝している。投票率は32.90%であった。

当選33,486丸山 浩一 69 無所属・現(自民党、公明党、民進党推薦)
  19,598杉山 昭吉 67 無所属・新(共産党、自由党推薦)

 もっとも、対立候補もそれなりの得票を挙げており、西東京市においてはリベラル勢は決して弱くないようである。今回は、立憲民主党が対立候補の支援に回っており、どちらが勝ってもおかしくない状況だといえる。

■投票結果

 接戦のまま2月7日の投票日を迎えた。投票率は42.23%と比較的高かった。
 開票結果は次の通りとなった。

当選34,299(48.76%)池沢 隆史 61 無所属・新(自民党、公明党推薦)
  32,785(46.61%)平井 竜一 54 無所属・新(立憲民主党、共産党、生活者ネット推薦)
    3,256( 4.63%)保谷美智夫 62 無所属・新

 予想通り、いや予想以上に激戦であった。開票速報でも、開票率70.12%の時点で池澤候補、平井候補共に24,000票で並んでいた。最終的には池沢候補が約1,500票差で振り切った。
 保谷候補は両者の戦いに埋没した印象である。

 池沢候補は現職後継でなおかつ政権与党推薦という、極めて有利な状況から、僅差での勝利という結果であった。西東京市は財政難も伝えられ、今後の池沢新市長の手腕が問われるところである。
 破れた平井候補側も戦い方次第では十分に勝算があっただろう。政策論争でなくネガティブキャンペーンが結果を左右したのだとしたら、それは残念なことである。

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