2024年港区長選挙レポート
任期満了に伴う港区長選挙が5月27日告示、6月2日投票で実施された。
◆港区長選挙立候補者
今回の港区長選、6期目を目指す現職の武井雅昭区長に、新人2人が挑む形となった。
立候補者は次の通り。
現職の武井雅昭区長は自民党と公明党の推薦を受ける。
その武井区長の多選を批判して立候補したのが港区議の清家愛候補。区議を4期務めていたが、3回連続トップ当選を果たしている。もともとは民主党出身で、議会では立憲民主党と会派を組んでいた。
また、菊地正彦・元都議が前回に続いて立候補した。
菊地・元都議は、1993年都議選に日本新党公認で立候補。新党ブームに乗って当選するも、新進党から立候補した97年都議選で落選。その後も自由党や無所属で都議選に出馬するも返り咲き出来ていない。2021年都議選には日本維新の会から出馬していた。
◆港区長選挙ウォッチ
その港区長選挙をウォッチした。
とある日の朝、品川駅へ。品川駅はその名に反して、港区内にある。
駅前のポスター掲示板がやたらとでかい。どうやら、東京都知事選挙に流用するためのようだ。
品川駅前では武井雅昭区長に会った。これまで盤石だった武井区長も、今回は相当危機意識があるらしい。美人区議で知られる自民党の柳澤亜紀区議も応援にかけつけていた。(写真上の右端)
◆2020年港区長選挙結果
前回の港区長選挙には5人が立候補していた。もっとも、武井区長以外に有力な候補者がおらず、結果は武井区長の圧勝。武井区長は得票の約6割を獲得していた。
投票率は30.04%で、コロナ禍にも関わらず前回の24.25%を上回った。
共産党推薦の大滝実・元港区議が対抗馬の筆頭になるかと思っていたが、蓋を開けてみると供託金没収の惨敗。2019年の港区議選で共産党が獲得した6,479票を千票近くも下回った。
次点だったのは飯田佳宏候補。落選者の中では唯一の供託金返還となった。港区議選ではわずか271票で惨敗。幸福実現党の得票(498票)より少なかったことから、まさか大滝候補や元都議の菊池候補を上回るとは思わなかった。飯田候補は2017年の都議選に候補者を立てていた「地方議員ゼロの会」の元代表。同会は堀江貴文氏が支援していたことから当時“ホリエモン新党”とも呼ばれていた。つまり元祖ホリエモン新党。
立花孝志・NHKから国民を守る党代表が設立した「ホリエモン新党」からも柏井茂達候補が立候補しており、新旧のホリエモン新党の候補者の激突となった。その党名とは裏腹に、堀江貴文氏はホリエモン新党をいっさい応援することはなく、もっぱら立花孝志・NHKから国民を守る党代表が選挙戦を取り仕切っていた。これではNHKから国民を守る党との違いもわかりにくい。柏井候補は最下位に沈んだ。
◆港区長選挙開票結果
6月2日、港区長選挙が投開票された。投票率は30.62%。前回の30.04%は超えたが、相変わらず低い水準。激戦という割には盛り上がりに欠けたようだ。
投票率が低いとなると、現職の武井雅昭区長に有利に働きそうだが、果たして結果は…。
接戦の末に、新人の清家愛・前港区議が6選を狙った武井雅昭区長を振り切った。港区としては初の女性区長となる。武井区長は多選に加え、自民党への批判が足枷となったのではないか。
2度目の挑戦の菊地正彦・元都議は2人の争いに埋没。前回の得票をも下回る惨敗に終わった。
清家陣区長は区議時代は立憲民主党会派に所属していた。今回、完全無所属を標榜していたが、共産党も独自に支援していた。野党系の候補が、与党系の現職を倒したことで、この後行なわれる東京都知事選挙にも影響を与えそうである。
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