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2021年日野市長選挙・市議会議員補欠選挙レポート

 4月11日、日野市長選挙・市議会議員補欠選挙が告示された。18日の投票日に向けて激しい選挙戦が繰り広げられた。

◼️日野市長選候補者

 市長選に立候補したのは次の2人。

大坪 冬彦 63 無所属・現(自民党、公明党、国民民主党、都民ファーストの会、生活者ネット推薦)
有賀 精一 62 無所属・新

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 3選を狙う現職の大坪市長は与党である自民党と公明党の他、国民民主党や都民ファーストの会、生活者ネットが推薦している。さらに、連合や立憲民主党の市議会議員も支援しており、実質的には与野党相乗り候補であるといえる。

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 一方の有賀精一候補は2期務めた市議を辞任して市長選に挑む。政党の推薦は受けていないが、共産党が支援する他、多摩地域の立憲民主党、社民党、新社会党、緑の党の市議が支援している。もっとも立憲民主党に関しては、地元日野の森沢美和子市議は大坪市長を支援しているため、対応が別れてしまっている。

 日野市では、河内久男・元副市長が土地区画整理事業を巡り、市から助成金名目で現金8千万円を詐取したとして逮捕・起訴されている。その疑惑の真相究明というのが最大の争点となりそうだ。

◼️日野市議会議員補欠選挙候補者

 市議会議員補欠選挙は定数3。こちらには4人が立候補した。 

渡部 三枝 62 共産党・新
蛭田 智也 36 自民党・新
遠藤  茂 58 立憲民主党・新
森久保夏樹 38 無所属・新

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 自民党、立憲民主党、共産党の各党が公認候補を擁立している。 
 自民党は36歳の新人の蛭田智也候補。2018年の市議選に無所属で立候補し落選している。

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 立憲民主党の遠藤茂候補もやはり無所属で市議選に立候補し落選。共に今回政党の公認を得てどれだけ票を伸ばすことが出来るだろうか…。

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 共産党は渡部三枝候補。もともと日野市は共産党が強く、2人区の都議会で議席を持っていたこともある。

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 38歳の無所属・新人森久保候補は都民ファーストの会所属の菅原直志都議が支援しており、実質的には都民ファーストの会の候補者だといえる。       
 今回の市議補選は3議席を有力候補4人で争うという、かなりの激戦になりそうである。

◼️日野市長選・市議補選ウォッチング

 高幡不動駅で、市長候補の有賀精一・前日野市議の街宣を見た。

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 ちょうど、市議補選に立候補している共産党の渡部三枝候補の演説の最中であった。

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 壇上には昨年の都議補選にも出馬した共産党の清水登志子・前市議の姿もあった。

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 そこに立憲民主党の有田芳生・参院議員が応援で駆けつけた。

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 続いて市議補選の遠藤茂候補。

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 あれ、そういえば立憲民主党の森沢美和子市議は有賀候補ではなく現職の大坪冬彦市長の方を支援している。そして、遠藤候補は森沢市議からの支援も受けているのである。立憲民主党が市長選では自主投票とはいえ、この辺り陣営内で揉めたりはしないのだろうか。

 最後に有賀精一候補が演説した。

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 市議補選で対立している渡部候補と遠藤候補が同時に壇上に登るところは見られず、やはり複雑な事情があるのだろう。野党結集というより、呉越同舟といった印象を受けた。


 高幡不動駅では、早朝各候補者が挨拶に立っているのをよく見かけた。

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 市議補選の森久保夏樹候補(写真上)や蛭田智也・自民党候補(写真下)。

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 ただ、選挙運動の出来る8時より前だったため、演説を聞く事が出来なかったのが残念なところであった。
 また唯一、市長選の現職の大坪冬彦候補にだけは会えなかった。

◼️日野市長選挙開票結果

 4月18日、日野市長選挙・市議会議員補欠選挙が投開票された。市長選は投票率が36.65%。
 開票結果は次の通りとなった。

当選31,873大坪 冬彦 63 無所属・現(自民党、公明党、国民民主党、都民ファーストの会、生活者ネット推薦)
  30,188有賀 精一 62 無所属・新

 現職の大坪市長が僅差で3選を決めた。
 私は大坪候補が与野党相乗りの現職であり、なおかつ有賀候補もそこまで魅力的な候補という感じがしなかったことから、もっと差がつくと予想していた。ところが、約1700票差。どうやら副市長の汚職というのは、想像以上に市民にとって重要な問題であったということである。いずれにせよ、大坪市長には今後原因究明を徹底して欲しい。

◼️日野市議会議員補欠選挙開票結果

 市議補選は投票率が39.70%。
 開票結果は次の通り。

当選20,952蛭田 智也 36 自民党・新(公明党推薦)
当選16,098渡部 三枝 62 共産党・新
当選13,102森久保夏樹 38 無所属・新
  11,378遠藤  茂 58 立憲民主党・新

 こちらも激戦となったが、自民党の蛭田智也候補がトップ当選した。
 2位につけたのは共産党の渡部三枝候補。

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 3位に都民ファーストの会系の森久保夏樹候補が入り、立憲民主党の遠藤茂候補が落選した。立憲民主党は市長選で現職の森沢美和子市議が大坪市長、遠藤候補が有賀候補を支援する分裂選挙となってしまい、肝心なところで存在感を示せなかったのではないか。
 2018年の多摩市議補選でも定数2で自民党と共産党候補が当選し、立憲民主党の候補者が落選したことがあったが、その再現となってしまった。

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 この結果は夏の都議選にも影響を与えそうである。4年前惨敗を喫した自民党は支持を回復しているし、このところ凋落傾向にある都民ファーストの会も決して侮れない。野党第1党の立憲民主党も必ずしも磐石ではないということ。そして、共産党も底力を秘めている。
 様々な思惑を持ちながら7月の都議選へと戦場は移っていく。



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