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退屈なことに価値をつけてくれる人

夜間の飛行機に搭乗した時の話。
パイロットさんが機内放送でこんな話をしてくれた。

「お疲れの所、失礼致します。当機は現在、長野県上空を順調に進んでおります。なお、現在窓の外は真っ暗ではありますが、本日は大変天候が良い為、運が良ければ星空、流れ星が見える可能性があります。またこの先10分程しますと、右側窓下には満点の夜景が広がります。お疲れで無ければ是非ご覧になってみてください。

説明時間、ものの1分2分。
ホスピタリティ溢れる話で、退屈だったこの夜間フライトに、見事に価値を付けて下さるお話だった。

◇自分に置き換えて考えてみた◇

日頃、僕たちは会員制の飲食店を運営している。
お時間2時間制、カウンター8席だけの小さなお店。

コース料理提供の際に、料理長中心にお客さまに料理の説明をさせていただく。

1つの料理の間が10〜15分。
僕もたまにお店に立つのだが、
その僅かな時間の中で、どれだけお客様をワクワクさせられているだろうか。
と考えた。
話が長すぎても引かれるし、とはいえ、ただ料理名を説明するだけでは他店と差別化出来ない。

お客さまによって反応が違うので、その点を見極めながら
どの言葉を
どんな構成で
どのテンションで
どのタイミングで
どのくらいの長さで

伝えるのかを瞬時に考えないといけない。

そこに難しさがある反面、面白さが同居している。

一緒に仕事をしている社長兼幼馴染が、昔こう言っていたことを思い出した。

「美味い店は無限にあるけど、記憶に残る店は少ない。記憶に残らないと飲食業では勝てない。あ〜今日お肉食べたいなぁと思った時に、僕らの顔を思い浮かべてもらえるかどうか。」

本当にその通りだと思う。
我々の様な会員制の業態だと、
美味しいというのは最早当たり前の項目で、付加価値として何をご提供出来るかに全てがかかっているのだと思う。

一日多くても16名さましかお迎え出来ない店舗だからこそ、お客さま一人一人に向き合い、お肉の特徴はもとより、産地の特徴や産地の方々の飼育の苦労話我々がなぜこの味付けにしたのかという背景、等など、何か1つでも良いので情報を持って帰っていただくことを心がける。

その際に人と人との芯のこもったコミュニケーションが出来れば、食事時間という、ともすれば何気ない時間に【付加価値】を加えることが出来るだろうな。
そして全スタッフがそれらが出来た時、どこにも負けない店が出来上がるんだろうな。

と、パイロットさんのお話から改めて気付かされた夜だった。

10/20で店舗は4周年!有難いことに小中の同級生がお祝いに駆け付けてくれて、SNSにもあげてくれた!

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