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セブン・ステップス・トゥ・ヘブン:トーキョー・ナイトメア シナリオ

 この記事はTRPG「トーキョー・ナイトメア」用のシナリオです。

 おばあちゃん連れてトーキョー観光! 刺客の襲撃つき! というババアフェチ歓喜の内容です。もちろんそれ以外の方にもお楽しみいただけます。
 ダダーッと書いてあるのでメチャクチャ長いです。ですが基本的には、一度ザっと目を通したら、あとは遊びながら順番にシーンを処理するだけで進行できるでしょう。プレイヤーはプレアクト部分まで読むことができます。

プレアクト

■シナリオデータ
・プレイ時間:2~3時間程度
・プレイヤー人数:2~3人
・必要サプリメント:RLは『TNM1』に加え『TNM2』が必要だ。

■アクトトレーラー

地方から上京した老婦人の依頼。
トーキョーの名所めぐりにつきあうこと。
楽な仕事のはずだった。
老婦人を狙って、刺客が襲ってくるまでは。
ただの観光旅行は、命がけのツアーとなる。
それは天国への7つの階段。
踏み外したら地獄へまっさかさま!

トーキョー・ナイトメア
「セブン・ステップス・トゥ・ヘブン」

悪夢のトーキョー観光がはじまる!

■レギュレーション
・使用経験点:0~40
・必要な神業:防御系2(プレイヤー2人の場合は1)

■シナリオハンドアウト

キャスト共通ハンドアウト
〈コネ:矢賀美千代(やが・みちよ)〉ダイヤ
QS:「掃除屋」「お節介な相棒」「秘密調査員」(※)
推奨スタイル:カブトが1人以上
 キミたちは要人警護を生業とするプロフェッショナルだ。今回の仕事は、矢賀美千代という老婦人を護衛し、トーキョーを案内することだ。簡単な仕事だと思った。彼女が刺客に狙われているとわかるまでは。だが美千代は、危険を顧みずトーキョー観光を続けるという。事情はどうあれ、依頼人の意向は尊重しよう。
【PS:矢賀美千代を守る】

※「掃除屋」「お節介な相棒」「秘密調査員」
 記述順に使用する。必要サプリメントに含まない『TNM4』掲載のサンプルキャラクターだが、データの参照範囲は『TNM2』までなので、問題なく使用できる。公式サイトからDLできる。

■キャスト間コネクション
 左隣のキャストのコネを取得すること。オンラインの場合、何をもって「左」とするかはRLが判断せよ。

RL情報

RL用情報

■ストーリー
 北海道のさびれた港町で、矢賀美千代(やが・みちよ)という老婦人が夫ともに小料理屋を営んでいた。店はいつの頃からか、ロシアン・マフィアとヤクザ・鮭川組の取引の相談所になっていた。ある夜、取引のもつれでロシアン・マフィアとヤクザが殺し合いに発展、相打ちとなり全員死亡。巻き込まれた美千代の夫も死亡した。店でただひとり生き残った美千代は、ヤクザが取引のために用意した金(※)を持ち去って逃亡した。
 美千代は、ガンで余命幾ばくもない身の上だった。持ち去った金で、亡き夫と約束したトーキョー観光をして、この世への未練を断ちたいと考えた。だが金を取り戻そうと、ヤクザとロシアン・マフィアが追ってくる。美千代は昔のツテを使って護衛(キャストたちのことだ)を雇う。
 このアクトは、キャストたちが美千代の願いを叶えることで終了する。

※ヤクザの金
 矢賀美千代が奪ったのは、「ヤクザ・鮭川組がロシアン・マフィアとのいざこざの仲裁金として用意した」ものだ。いざこざの詳細については設定されていない。矢賀夫妻の店での交渉において、ロシアン・マフィア側が金額に不服を示したことで、殺し合いに発展した。これにより鮭川組とロシアン・マフィアの関係は修復不可能となった。2つの組織は、この宙ぶらりんになった金を「自分たちのものだ」と主張している。当初はお互いの組織が金を持ち去ったと考えていたが、現在は美千代の仕業だと把握している。
 美千代への対処方針は、鮭川組とロシアン・マフィアでは微妙に異なる。鮭川組は「金を取り戻したい」と考えており、美千代を捕らえることを優先している。ロシアン・マフィアは、金が手に入るに越したことはないが、「自分たちの金を奪った」美千代の殺害を目的としている。

■重要人物

矢賀美千代(やが・みちよ)
▼スタイル
エキストラ(ミストレス◎)
▼解説
 北海道の港町で、夫とともに小料理屋を営む老婦人。30年前はススキノでナンバー1の美人ママだった。ヤクザを足抜けした夫と結婚し、故郷の港町に引っ込んだ。子供はいないものの、夫との仲は円満。結婚30年の記念に、トーキョーへ観光旅行に行く約束をしていた。だが夫は裏社会と完全に縁を切れず、時おりヤクザにロシアン・マフィアとの商談場所として店を貸していた。美千代は快く思わなかったが、店の経営のために黙認。それが悲劇へと繋がる。
 すでにステージ4の末期ガン。治療は不可能で、QOL向上のためにターミナルケア(終末治療)を選択している。
 性格は頑固で気難しく、二言目には嫌味や小言を口にするため、とっつきにくいタイプ。プライドも人一倍高く、弱みを見せることを好まない。一般人の割には、気丈で覚悟がキマっている。

鮭川昇流(すけがわ・のぼる)
▼スタイル
カブキ、チャクラ◎、レッガー●
▼解説
 北海道ヤクザ、鮭川組の総長の息子。海産物の密輸や密猟ビジネスをシノギとする。“ライジングサーモン”のリングネームを持つ元格闘家でもあり、ショービジネス界にも顔が広い。美千代から金を取り戻すためトーキョーへ。荒っぽい性格で、好きなものは鮭とイクラ。

セルゲイ・カニンスキー
▼スタイル
タタラ、カゲ◎●、カブトワリ
▼解説
 元傭兵のロシアン・マフィア。銃器の扱いに長ける暗殺の専門家。金を持ち逃げした矢賀夫人を殺害するためトーキョーへ。ロシアン・マフィアの日本国内での荒事を担当している。無口な性格で、喋るのはだいたい下品なスラングだけ。好きなものはカニ。

■登場について
 基本的にキャストたちはチームを組んでおり、常に全員シーンに登場しているものとする。そのため個々のシーンで、登場について記述しない。シーンプレイヤーは任意に決めてよい。

■目標値のない判定
 このシナリオでは、シーン内で何らかの判定を求められることがある。もし目標値が設定されていない場合、判定が成立すれば成功となる。このことは最初に説明すること。

オープニングフェイズ

●シーン1:老婦人、トーキョーに立つ!
◆解説
 矢賀美千代と出会い、護衛と案内を開始するシーン。キャストたちはフィクサー(※)から以下の依頼を受けている。
・矢賀美千代という老婦人の護衛およびトーキョー案内。
・矢賀夫人の目的は1泊2日のトーキョー観光。トーキョーでの予定は特に決まっていない。
・矢賀夫人に関する事前情報はなし。詮索不要(※)
・報酬として前金でひとり5報酬点を得る。
 矢賀夫人を観察するなら、〈知覚〉判定を行なう。成功すると、以下のことがわかる。
・着ている服は安物だが、メイクや着こなしで安っぽく見せてない。ただ経済的にそれほど裕福ではないことがわかる。また、年代ものの結婚指輪をしている。
▼描写①
 キャストたちは、羽田空港の到着ロビーを訪れていた。護衛対象と待ち合わせのためだ。現れたのは、矍鑠(かくしゃく)とした老婦人だった。
▼セリフ:矢賀美千代
「ふうん、あんたたちがあたしの道連れかい。矢賀美千代だよ」
「いいかい坊や(嬢ちゃん)たち。レディをエスコートするんだから、適当な仕事するんじゃあないよ!」
(荷物のトランクを押しつける)「ああ、重い。ほら、荷物を持ちな」
▼描写②
 美千代がトランク(※)を押し付ける。その衝撃で、脆くなっていたトランクの留め金が外れ、中身がぶちまけられる。大量の札束だ。周囲がざわつき、騒然となる。美千代は落ち着き払って札束を拾い集めると、いくつかをキャストに手渡す。
▼セリフ:矢賀美千代
(周囲へ)「じろじろ見るんじゃあないよ! 無礼だね!」
「ほれ、前金だよ。チップもつけるかい?」(拾った札束を手渡す)
「それじゃ、さっさと行くよ。車(※)は用意してあるんだろうね」
(どこへ)「トーキョーと言ったら銀座だね! まずは、もっとマシな服を揃えるとしようかね。そこから先は任せるよ」
◆結末
 美千代の案内を始めたらシーン終了。リサーチフェイズへ。

※フィクサー
 キャストたちにとってなじみの、信頼できるフィクサーだ。美千代は30年以上前のツテを頼り、このフィクサーに渡りをつけた。
※詮索不要
 本人から直接聞き出そうとすることはNGだが、自分で調べるぶんには問題ない。
※トランク
 このトランクはリサーチフェイズ中、キャストが預かることになる。中身の札束は、合計100報酬点ほどだ。トーキョー観光の経費もここから出ることになっている。なおキャストがネコババしても、美千代は気にしない。
※車
 キャストと美千代が乗って移動できるヴィークルがない場合、このアクトの間のみ自動車(『TNM1』p.197)が支給される。 

リサーチフェイズ

■リサーチフェイズの進行
 「2日目昼」に「佐々治郎の楽屋」のアドレスへ向かうことで、クライマックスへ移行する。

■SPSと満足度
 リサーチフェイズ開始時に「SPS:矢賀美千代を満足させる」(最大5点)を提示する。
 このSPSによって得られる経験点は、「美千代の満足度」(以下、「満足度」)に等しい。「満足度」は文字通り、美千代のトーキョー観光の満足度合いを表すものだ。初期値は0で最大値は5。リサーチフェイズ中の行動によって、この満足度が上昇していく。0~5の値を表現できるカウンターを用意すること。

●シーン2:1日目昼/銀座
タイミング:リサーチフェイズ開始時
◆解説
 銀座で買い物をするシーン。
 価値観の多様化した現在、銀座といえど美千代の好みにあう店を見つけるのは容易ではない。〈信用〉〈社会:社交界〉判定を行なう。ひとりでも成功すれば、美千代の好みに合致する店を紹介できる。「満足度」+1。
 そこに北海道から美千代を追ってきた鮭川組のヤクザが襲ってくる。〈白兵〉〈射撃〉目標値13の判定を行なう。「プレイヤー人数-1」人が成功することで、ヤクザを無傷で撃退できる。必要な成功人数に満たなかった場合、撃退には成功するものの、手傷を負わされる。キャスト全員、「山札1枚+5」の肉体ダメージを受ける。Pの防御力が有効だ。
▼描写①
 トーキョーを代表する繁華街、銀座。高級ブランド店を見て回る美千代とキャストたち。だが、矢賀美千代は不満を隠さない。
▼セリフ:矢賀美千代
「なんだい、銀座の品ぞろえなんて、こんなもんなのかい。札幌のデパートと大して変わんないねぇ!」
(判定に成功)「いいね。さすが銀座だね! それじゃ、これももらおうかい。ほら、あんたたち持ちな!」
▼描写②
 銀座での買い物がひと段落した頃。キャストたちの前に、見るからにヤクザ然としたものたちが現れた。明らかに美千代を襲おうとしている。
▼セリフ:ヤクザ(鮭川組)
「見つけたぞババァ――ッ! 金返せババァ――ッ!」
「邪魔しようってのか。トーキョーもんが……容赦しないぜ―!」
(撃退した)「ち、ちくしょう。昇流(ノボル)さんが来れば、お前らなんか……!」
▼セリフ:矢賀美千代
「せっかくの銀ブラが台無しじゃないか。お前たち、仕事だよ!」
(金って?)「詮索無用だよ、坊や(嬢ちゃん)たち」
「警察沙汰はごめんだよ。さ、次行くよ、次!」
◆結末
 銀座の往来での襲撃に、周囲は騒然となる。警察もやってきた。この場は離れた方がよさそうだ。判定の処理を終えたら、シーン終了。

●シーン3:1日目昼/トーキョー競馬場
タイミング:トーキョー競馬場に向かった
◆解説
 トーキョー競馬場で競馬を楽しむシーン。
 美千代はキャストたちに金を渡し、馬券を買うよう命じる。全員〈芸術:ギャンブル〉〈社会:メディア〉(※)目標値21の判定を行なう。全員失敗した場合、馬券は外れる。美千代はヤクザの金を消費できたことを喜ぶ。「満足度」+1。もしひとりでも成功した場合、大穴を当てる。美千代は想定外ながらも、思わぬ結果を大いに楽しむ。やはり「満足度」+1。加えて特別ボーナスとして、ひとり5報酬点を得る。
 ここで〈心理〉〈コネ:矢賀美千代〉の判定に成功すると、「美千代は金に執着がない。手持ちの金を浪費したがっている」とわかる。
▼描写
 府中市にあるトーキョー競馬場、その豪奢なVIPルーム(※) 矢賀美千代は広大なコースを眺めて感嘆する。
▼セリフ:矢賀美千代
「へえー、ばんえい競馬とはだいぶ違うねえ!」
「あんたたち、これで好きな馬券を買ってきな。ただし、オッズの低い馬には賭けないこと。簡単に勝っちゃあつまらないからね!」(札束を渡す)
「勝ったぶんはボーナス。負けてもいいんだからね」
(外した)「あっはっは! いいねえ、いい負けっぷりだねえ!」
(当てた)「あっはっは、勝っちまったのかい! まいったねえ、ここでたくさん使うつもりだったのにさ。世の中、ままならないねえ!」
「……金なんて、どうせあの世まで持って行けやしないんだ。せいぜい派手に使ってやるのさ」
◆結末
 判定の処理を終えたら、シーン終了。

※〈芸術:ギャンブル〉〈社会:メディア〉
 この判定は失敗することを想定している。判定の目標値が高く、失敗しても「満足度」を得られるのは、そういうことだ。手札の破棄を勧めるとよい。またキャストが何らかの神業を使用した場合、成功したものとする。
※VIPルーム
 ダービールームという、いわゆる貴賓席だ。一般入場不可で、ドレスコードがある。基本的に招待されなければ入ることはできない。美千代に依頼されたフィクサーが、何がしかの裏技を使ったのだろう。

●シーン4:1日目昼/トーキョースカイツリー
タイミング:トーキョースカイツリーに向かった
◆解説
 トーキョースカイツリーの展望台に昇るシーン。その展望は美千代を満足させる。「満足度」+1。
 そこにロシアン・マフィアの殺し屋、セルゲイ・カニンスキーが襲撃する。〈無面目〉で観光客を装い、至近距離に近づいて美千代を殺害しようとする。〈知覚〉判定を行なう。目標値はセルゲイの「制御値+8」(スペード:21/クラブ:20/ハート:18/ダイヤ:21)となる。判定に成功した場合、接近前にセルゲイの偽装を暴くことができる。続く判定を行なう必要はない(もっとも成功する可能性は低いので、手札の破棄を勧めるとよい)
 続いてセルゲイは美千代に〈隠密〉〈完全奇襲〉〈雷の矢〉を使用、自動拳銃による攻撃を行なう。攻撃の達成値は16、攻撃力は「P+12」だ。〈カバーリング〉などのスタイル技能により、これを防ぐことができる。防げなかった場合、美千代は銃撃で死亡する。神業が必要となるだろう。
 セルゲイは攻撃の成否を問わず、《不可知》で退場する。
▼描写①
 巨大電波塔、トーキョースカイツリー。その展望台。自分で行きたいと言っておいて、美千代は文句たらたらだ。だが関東一円を見渡す風景は、美千代を魅了したようだ。
▼セリフ:矢賀美千代
「まったく、何がスカイ何ちゃらだい。気取った名前しやがってさあ。むかし、札幌のテレビ塔の展望台には登ったことあるんだ。あれよりしょぼかったら承知しないよ」
(風景を見て)「おほほ~! 高いねぇ、遠くまで見えるねえ! さすがスカイ何ちゃらだねぇ!」
▼描写②
 風景を楽しむ美千代に近づく、外国人観光客の男。その手に魔法のように拳銃が現れる!
▼セリフ:外国人観光客(セルゲイ・カニンスキー)
「Будьте добры(ブッチェ・ドーブルィ※)……」(拳銃を取り出す)
「……блядь(ブリャーチ※)!」(《不可知》で退場する)
▼セリフ:矢賀美千代
(阻止した)「ああ、びっくりした。まったく、とんだ観光ツアーだね!」
◆結末
 周囲は騒然となり、警備員も駆けつけてくる。暗殺者はすぐにその場を離れる。出入りが困難な展望台だが、暗殺者の姿が確認されることはなかった。それはまるで“神業”だった。
 判定の処理を終えたら、シーンを終了する。キーワード【外国人の殺し屋】を得る。

※ブッチェ・ドーブルィ
 ロシア語で「すいません、ちょっといいですか」程度の意味。
※ブリャーチ
 ロシア語のスラング。「くそビッチ!」のような、あまり上品ではない罵倒表現。

●シーン5:1日目夜/帝都ホテル
タイミング:帝都ホテルへ向かった
◆解説
 宿泊先である帝都ホテルのレストランでのディナーのシーン。
 美千代は食欲がないと言って、料理に手を付けようとしない。代わりに、キャストたちに料理を食べるよう勧める。〈知覚〉〈社会:社交界〉判定に成功すると、三ツ星レストランシェフの腕前を存分に堪能できる。失敗した場合、味はよくわからない。
 直後、美千代は体調が急変し、昏倒する(※) すぐに応急処置をしなければならない。〈医療〉判定を行ない、ひとりでも成功すると、救急車が来るまで持たせることができる。失敗すると、彼女は死亡する。何らかの神業が必要になるだろう。
▼描写①
 帝都ホテルのレストランでのディナー。高級フレンチのフルコースがテーブルに運ばれてくる。だが美千代は手をつけようとしない。ワインを飲むだけだ。
▼セリフ:矢賀美千代
「あたしはいいんだよ。小食だしね。もともとフレンチなんか好きでもなんでもないんだよ」
「あんたたち、存分に飲み食いしなよ! 支払いはあたしが持ってやる。滅多に食えるもんじゃないからね」
「あたしは……これで、十分……さ……」(ワイングラスを落とす)
▼描写②
 美千代の手から落ちたワイングラスが割れ、赤い液体が飛散する。続いて意識を失った老婦人の身体も、椅子から床に崩れ落ちる。
◆結末
 救急隊が駆けつけ、美千代を病院へと搬送する。判定を終えたら、シーンを終了する。次のシーンは「シーン6:帝都大学病院」となる。

※昏倒する
 ガンによる体調不良が原因だが、具体的になぜ昏倒するのかは、医療関係者ではない筆者は明言しないでおく。専門知識のあるRL・プレイヤー諸氏の補足を願うところだ。

●シーン6:1日目夜/帝都大学病院
タイミング:「シーン5」の直後
◆解説
 救急病院に搬送された美千代から、すべての事情を聞くシーン。
 美千代は特に嘘をつくことなく、ありのままに話す。〈心理〉〈コネ:矢賀美千代〉判定に成功すると、嘘をついているわけではないこと、これまでの状況と矛盾しないことを確信できる。
▼描写
 緊急搬送先の帝都大学病院。美千代はベッドに寝かせられている。医師の話が終わると、美千代の意識が戻る。
▼セリフ:医師
「応急処置が良かったようですね。大事には至りませんでした。今夜一晩、点滴を打てば、とりあえず元気にはなるでしょう」
「ただ、問題は……これ以上は私からはお話しできません。個人情報ですから、身内でない方には……」
「本人から直接聞いてください。では、お大事に」
▼セリフ:矢賀美千代
「……みっともないところを見せたね。ざまあないね」
「せっかくだから、聞きたいことは今ぜんぶ話すよ。そうした方が、色々とやりやすそうだからね」
(体調について)「ガンのステージ4、末期だそうだよ。まだ身体は動くけど、長くはないらしいね。ターミナルケアってやつで、好きなことをやらせてもらってるよ」
(目的は?)「この世の未練ってやつでね。夫との約束を果たしたいのさ。結婚30年記念にトーキョー旅行をしよう、って約束をね」
(夫は?)「ついこの間、あっさり死んだよ。たまたま、ヤクザとロシア人の抗争に巻き込まれてね」
(あの金は?)「抗争の現場にあったのさ。ヤクザのものか、ロシア人のものかは知らないよ。あの場にいて生き残ったのは、あたしひとりだったからね。ありがたく頂戴したよ」
(なんでそんなことを?)「トーキョー旅行の費用にさ。それに、夫を殺した連中の金を使って豪遊したら、多少はスカっとするだろう?」
(これからどうする?)「予定通りにするさ。あんたたちも、せいぜいよろしく頼むよ……」
◆結末
 語り終えた美千代は、再び寝息を立て始める。会話を終えたら、シーン終了。次のシーンは「シーン7:トーキョー某所のサウナ」となる。

●シーン7:1日目夜/トーキョー某所のサウナ
タイミング:「シーン6」の直後
◆解説
 このシーンはルーラーシーンとなる。鮭川組の状況を示すシーンだ。
▼描写
 トーキョー某所のサウナ。裸のヤクザたちが汗を流している。リーダー格のガタイのいいヤクザの身体には、急流を昇る鮭の入れ墨が彫られている。
▼セリフ:ヤクザたち(鮭川組)
「矢賀のババアめ……俺たちの金でトーキョー観光かよ。何考えてんだ」
「だがババアの護衛は腕利きだ。手ごわいぜ、あいつら」
「ロシア人も動いてる。ただ、目的はババアの命らしい。もちろん金も奪うつもりだろうが」
「昇流(ノボル)さん、どうします?」
▼セリフ:ガタイのいいヤクザ(鮭川昇流)
「心配すんな、手は打ってある。要は、護衛を引き離せばいいわけだろう」
「まずババアを捕らえて、金を手に入れる。その後、見せしめに殺す」
「ロシア人が邪魔してきたら――“ライジングサーモン”の名前を思い知らせてやる!」
◆結末
 汗まみれのヤクザたちがニヤリと笑う。描写を終えたらシーン終了。

●シーン8:2日目昼/佐々治郎の楽屋
タイミング:佐々治郎の楽屋へ向かった
◆解説
 大御所演歌歌手・佐々治郎を訪ね、TV局へ。美千代は、憧れのスターに会うことができると喜ぶ。「満足度」+1。
 美千代はキャストたちと離れ、ひとりで佐々治郎の楽屋へ入る。〈知覚〉〈心理〉の判定に成功すると、佐々治郎のマネージャーの様子がおかしいことに気づく。妙におどおどしており、隠し事をしているとわかる。
 鮭川昇流が《不可触》(※)を使用する。効果は「美千代をひとりにさせる」だ。北海道時代の繋がりで、佐々治郎に圧力をかけ、美千代の誘拐に利用するのだ。
▼描写①
 TV局。大物演歌歌手・佐々治郎は、夜の歌番組出演のため、早めに局入りしている。そこで美千代が佐々治郎と対面する時間を取ることができた。美千代は(珍しく)素直に嬉しさを露わにする。楽屋に入れるのは美千代だけだ。キャストたちは少し離れた待合室で待つことになる。
▼セリフ:矢賀美千代
「治郎ちゃんと会えるなんて、夢みたいだねえ」
「治郎ちゃんは北海道の星だよ。ずっと憧れの人だったのさ」
「これだけでもトーキョーに来た甲斐があったってもんさ。は~、幸せすぎて、今にも天国に行っちまいそうだよ。気を付けないとね」
「それじゃ、行ってくるよ~」(楽屋の方へ消える)
▼セリフ:マネージャー
「佐々治郎とお会いになれるのは、そちらのご婦人だけ。時間は5分とさせていただきます」
「みなさんは、この待合室でお待ちください」(《不可触》が使用される)
▼描写②
 時間を過ぎても、楽屋から美千代は戻ってこない。何ががおかしい。マネージャーを問い詰めると、あっさりと吐いた。
▼セリフ:マネージャー
「わ、私は頼まれただけなんだ。あのご婦人を、ひとりで佐々治郎に会わせるようにって」
「鮭川組の親分さんには、北海道時代にさんざん世話になったんだ。逆らうことはできない!」
「今ごろはもう、楽屋に近い車両搬入口から、外へ……」
◆結末
 描写を終え、キャストたちが動き出したら、次のシーンへ。

※《不可触》
 これを打ち消した場合、次の「シーン8」の3段階の判定のうち、1段階目を省略できる。状況の把握に時間をかけずに済んだので、追跡が楽になるのだ。

●シーン9:2日目昼/追跡
タイミング:シーン7の直後
◆解説
 美千代を連れ去った(※)鮭川組の車を追跡するシーンだ。追跡は3つの段階に分かれている。いずれかの段階で失敗した場合、美千代は完全に連れ去られる。そして人知れず始末される。アクトは終了だ。何らかの神業が必要になるだろう。
・第1段階
 鮭川組の車を追い、距離を詰める。ドライビングスキルか、周辺の地理情報の詳しさが求められる。〈操縦:地上車両〉〈社会:トーキョー〉目標値13の判定を行なう。「プレイヤー人数-1」人以上が成功すること。
・第2段階
 鮭川組の車から、ヤクザが銃を乱射する。当たりはしない、ただの牽制だ。だが怯んでブレーキを踏めば引き離される。ドライビングスキルか、度胸が試される。〈操縦:地上車両〉〈自我〉目標値13の判定を行なう。「プレイヤー人数-1」人以上が成功すること。
・第3段階
 鮭川組の車の攻撃をしのいだ。今度はこちらの番だ。攻撃し、手ごろな駐車場に追い込んで停止させる。〈白兵〉〈射撃〉目標値18の判定を行なう。「プレイヤー人数-1」人以上が成功すること。
▼描写
 佐々治郎の楽屋から近い、車両用の搬入口。鮭川組の用意した車に、ぐったりとしている矢賀美千代が運び込まれる。どうやら楽屋で一服盛られたようだ。大物演歌歌手が見送る中、鮭川組の車が走り出す。その後方にキャストたちの車が現れる。追いかけっこの始まりだ。
▼セリフ:ヤクザ(鮭川昇流)
(演歌歌手に頭を下げる)「治郎さん、ファンを裏切らせちまって申し訳ねえ。親父にはよろしく伝えておきますよ」
「くそババアめ、面倒かけせやがって。ただじゃあ済ませねえぜ」
「チッ! カンがいいやつらだぜ。だが、もう遅いぜ!」
(第1段階成功)「離れねえな。おい、適当に弾丸(タマ)ぶち込んでやれ。ビビらせてブレーキ踏ませろ」
(第2段階成功)「ヒュー! 覚悟決まってんじゃねえか……うおっ!? 反撃して来やがるかよ!」
(第3段階成功)「……いてて、トーキョーもんも結構やるじゃねえか」
◆結末
 駐車場に停止した車から、強面のヤクザたちが降りてくる。クライマックスフェイズへ。

※美千代を連れ去った
 鮭川昇流は、美千代を生かして連れ去ることを優先している。これは、彼女から金の所在を聞き出すためだ。そのため、美千代をすぐに殺すことはない。また、キャストたちに対して人質として利用することもない。傷つけないと知られている以上、意味がないからだ。このことはプレイヤーに伝えてもよいだろう。逆に、キャストが「金を盾に美千代の身柄を要求する」可能性もあるだろう。その場合、ヤクザたちが交渉に応じることはない(倒して奪えばよいのだから)

■情報収集

 リサーチフェイズ開始時から調査可能な情報は以下の通り。
【トーキョー観光コース】【矢賀美千代】【襲ってきたヤクザ】

▼【トーキョー観光コース】(※)
〈交渉〉〈コネ:矢賀美千代〉〈社会:トーキョー〉目標値2
 矢賀老婦人から、希望する観光地を絞り込む。行き先と時間帯は以下の通りだ。
 「トーキョー競馬場で競馬観戦(1日目昼)」「トーキョースカイツリーの展望台に昇る(1日目昼)」「帝都ホテルでディナー&宿泊(1日目夜)」「大御所演歌歌手・佐々治郎に会って握手(2日目昼)」「東京ヘリポートから夜のトーキョー遊覧飛行(2日目夜)」
 なお佐々治郎に関しては、会うためのコーディネートはキャストの仕事となる。そのためまだアドレスはない。
→アドレス:トーキョー競馬場、トーキョースカイツリー、帝都ホテル
→【佐々治郎】

※トーキョー観光コース
 このアドレスを、時間帯順にめぐっていくことになる。前の時間帯のアドレスに行くことはできないものとする。同じ時間帯のアドレス(1日目昼)は、順番は問わない。

▼【矢賀美千代】
〈コネ:矢賀美千代〉〈社会:警察、メディア〉目標値10
 ストリートのフィクサーを通じて、キャストたちに護衛を依頼してきた老婦人。北海道の港町で、夫と小料理屋を切り盛りしていた。最近、夫とは死別した。子供はおらず、親類縁者もいない。30年ほど前は、札幌の歓楽街ススキノでナンバー1の美人ママだった。
 また、数日前の北海道のニュースに名前が出ている。港町で起きた殺人事件に関するニュースだ。警察は事件の重要参考人として、矢賀美千代の行方を追っている。
→【殺人事件】

▼【襲ってきたヤクザ】
〈社会:警察、ストリート〉目標値13
 北海道のヤクザ、鮭川組だ。ロシアン・マフィアとの密輸によって莫大な利益を上げていたが、最近は分け前をめぐって関係が悪化しつつある。現在トーキョーには、総長の息子である鮭川昇流(すけがわ・のぼる)とその配下がやってきている。美千代の持っている金は、自分たちから盗んだものだと主張している。
→【鮭川昇流】

▼【殺人事件】
〈社会:警察、ストリート〉目標値13
 北海道の港町の小料理屋で起きた殺人事件。死亡したのは70代の店主、ヤクザとロシア人数名。店主以外は銃を持っており、死因はいずれも銃創によるもの。この店は北海道ヤクザの鮭川(すけがわ)組とロシアン・マフィアの密輸の相談場所であった。商談での何らかのトラブルが殺人に発展したものと思われる。事件後、店主の妻の矢賀美千代が行方不明となっている。

▼【襲ってきたヤクザ】
〈社会:警察、ストリート〉目標値13
 北海道のヤクザ、鮭川(すけがわ)組だ。ロシアン・マフィアとの密輸によって莫大な利益を上げていたが、最近は分け前をめぐって関係が悪化している。現在トーキョーには、総長の息子である鮭川昇流(すけがわ・のぼる)とその配下がやってきている。
 美千代の持っている金は、自分たちから盗んだものだと主張している。
→【鮭川昇流】

▼【佐々治郎】
〈信用〉〈社会:ビジネス、メディア〉目標値13
 北海道出身、トーキョーで活躍する人気演歌歌手。地元・北海道のファンに絶大な人気を博している。2日目昼は歌番組収録のため、TV局の楽屋にいる予定だ。短時間だが、アポイントメントを取ることができる。
→アドレス:佐々治郎の楽屋

▼【鮭川昇流】
〈社会:メディア、警察、ストリート〉目標値16
 北海道のヤクザ、鮭川組総長の息子。“ライジングサーモン”のリングネームを持つ元格闘家でもある。ショービジネス界にも顔が広い。神業変更技能〈決闘者〉を持つ。スタイルはカブキ、チャクラ◎、レッガー●。好きなものは鮭とイクラ。

▼【外国人の殺し屋】
〈社会:ビジネス、警察、ストリート〉目標値16
 セルゲイ・カニンスキーという傭兵。さまざまな銃器の扱いに長ける。ロシアン・マフィアの日本国内での荒事を担当している。無口な性格で、喋るのはだいたい下品なスラングだけだ。スタイルはタタラ、カゲ◎●、カブトワリ。好きなものはカニ。

クライマックスフェイズ

●シーン10:2日目昼/駐車場
◆解説
 美千代を取り戻すため、鮭川組と対決するシーン。そこに好機と見たロシアン・マフィアの刺客も介入し、三つ巴(※)の乱戦となる。
 カット進行となる。キャストたちの前方・近距離に、鮭川昇流とレッガートループ(HP15、『TNM1』p.285)2体。後方・近距離にセルゲイ・カニンスキー。カット進行の終了条件は、ゲストを戦闘不能にすることだ。
▼描写①
 鮭川組の車から、ヤクザを率いた筋骨たくましい男が降車する。鮭川昇流だ。矢賀美千代は車内で昏倒しているようだ。
▼セリフ:鮭川昇流
「ババアはまだ無事だぜ。取り戻したければ、力づくでやってみな」
「俺もこっちの方が得意でね。“ライジングサーモン”は伊達じゃねえぜ!」
▼描写②
 そのとき、背後でバイクが急停止する。降車したロシア系の男が、ライフルを構えて向かってくる。どうやら三つ巴の戦いになるようだ。
▼セリフ:セルゲイ・カニンスキー
「……свинья(スヴィーニヤ※)!」
(倒した)「……Чёрт возьми(チョルト・ヴァジミー※)!」
▼セリフ:鮭川昇流
「ロシア人め、こんな時に! 漁夫の利を狙おうってのか!」
(倒した)「“ライジングサーモン”は……不死身だ、ぜ……」
◆結末
 ヤクザとロシアン・マフィアを撃退し、美千代の救出に成功した。エンディングフェイズへ移行する。

※三つ巴
 鮭川組とロシアン・マフィアは現在、敵対関係にある。ただ、三つ巴の状況をカット進行内で表現するのは大変だ。そのため、キャストの関わらない戦闘描写は省略する。敵たちは「キャストを攻撃するか、キャストの攻撃を受ける」以外のデータ的なやり取りは扱わないということだ。カット進行内で処理されないだけで、背景では敵同士も激しく争っているのだ。
※スヴィーニヤ
 ロシア語のスラング。「このブタ野郎!」のような、あまり上品ではない罵倒表現。
※チョルト・ヴァジミー
 ロシア語のスラング。「悪魔につかまっちまえ!」のような、あまり上品ではない罵倒表現。

ゲストデータ

鮭川昇流
▼スタイル
カブキ、チャクラ◎、レッガー●
▼神業
チャイ、黄泉還り、不可触(使用済み)
▼能力値
理性:4/12 感情:7/14
生命:7/13 外界:4/9
CS:9
▼技能(R=スペード、P=クラブ、L=ハート、M=ダイヤ)
芸術:マイクパフォーマンス 3-PLM
白兵 3-PLM
決闘者 1----
手刀 3----
ファッションリーダー 2----
熱狂 3-PLM
度胸試し 2-PL-
▼アウトフィット
・生身
攻:S+11 射:至
・サングラス、入れ墨、チープシャツ
▼戦闘プラン
・セットアップ
 〈芸術:マイクパフォーマンス〉〈熱狂〉、目標値10。自身とトループの攻撃の達成値およびダメージ+3、カット終了時まで。
・メインプロセス
 ムーブで至近距離に移動。メジャーで〈白兵〉、生身による攻撃。
・ダメージを受けた
 肉体・精神ダメージは常に3点軽減。またカット1回〈度胸試し〉で「カードの数字+3」軽減。
・神業
 《チャイ》は防御用。《黄泉還り》は〈決闘者〉で《死の舞踏》に変更。
セルゲイ・カニンスキー
▼スタイル
タタラ、カゲ◎●、カブトワリ
▼神業
タイムリー、不可知(使用済み)、とどめの一撃
▼能力値
理性:9/13 感情:1/12
生命:5/10 外界:7/13
CS:7(13)
▼技能(R=スペード、P=クラブ、L=ハート、M=ダイヤ)
隠密 3R-LM
自我 2RP--
無面目 2----
影化 2----
完全奇襲 3R-LM
雷の矢 3R-LM
陽炎 2--LM
▼アウトフィット
・アサルトライフル
攻:P+8 射:近~中 FA3
・防弾ベスト、アーマージャケット
防(S/I/C):2/3/4
・神経加速装置
▼戦闘プラン
・セットアップ
 神経加速装置を使用。CSをカッコ内に。
・メインプロセス
 ムーブで近距離を維持。マイナーで(必要なら)弾倉交換。メジャーで〈隠密〉〈完全奇襲〉〈雷の矢〉でアサルトライフルのフルオート射撃。達成値+2、攻撃力はP+18。
・リアクション
 〈隠密〉〈陽炎〉でドッジ、達成値+2、1カット1回。
・神業
 《タイムリー》は防御に使用。プレイヤー人数が2人の場合、《とどめの一撃》はカット進行開始時に使用し、レッガートループ1体を倒す。

エンディングフェイズ

●シーン11:天国への7つの階段
◆解説
 エンディングのシーン。美千代とともに、ヘリでトーキョーの夜を飛ぶ。美千代は美しい夜景を楽しむ。「満足度」+2。
 美千代はここで死亡する(※) プレイヤーが余った神業(《タイムリー》とか《天罰》とか)で延命させようとするかもしれない。その場合は描写②を追加する。
▼描写①
 東京ヘリポートから、美千代とキャストたちを乗せたヘリが離陸する。トーキョー旅行の締めくくりの遊覧飛行だ。眼下に美しい夜景が広がる。
▼セリフ:矢賀美千代
「ふん、悪くないね……トーキョーも、なかなかのもんじゃないか」
「色々あったけど、ありがとうよ。おかげで最後に楽しい旅行ができたよ」
「……キレイだねえ、あんた(結婚指輪に触れる) まるで天国にいるみたいだね……」(眠ったように息を引き取る)
▼描写②(美千代を延命させた)
 美千代は眼を見開き、悪戯っぽく笑う。
▼セリフ:矢賀美千代
「……なあーんてね!」
「せっかく拾った命だし、ヤクザどもの金もあるし、もうちょっと豪遊してからおっ死ぬわ!」
「次は海外がいいね。また、あんたたちを雇うよ。シンガポールとか、ドバイとか――あったかいところがいいねえ!」
◆結末
 描写を終えれば、シーン終了。希望すれば、キャスト個々のエンディングシーンを設けること。アクトを終了する。

※死亡する
 護衛期間内ではあるが、病死はキャストの責任外であるとする。
 死亡した場合、「ヤクザの金はどうなるのか」と疑問に思うかもしれない。以下にいくつかの案を提示する。ふさわしいと思う処理にすればよい。
・キャストが全部ネコババする
・慈善団体に寄付する
・ヘリから全部バラまく

セッション用素材

ユドナリウム用アクトルーム

 ユドナリウム用のセッションツールを用意しました。RLは自由にお使いください。使用イメージはこんな感じです。使用方法は、zipをユドナリウムの画面内にドラッグ&ドロップするだけです。

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トレーラー画像

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 トレーラー画像を用意しました。Twitterなどで募集する際に、自由にお使いください。

おことわり

 このシナリオはフィクションです。実在の人物、団体、地名、建造物などとは一切関係ありません。
 「トーキョー・ナイトメア」は有限会社ファーイースト・アミューズメント・リサーチの著作物です。この記事は同社の2次創作規約のもとで作成されています。

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