ボケ老人、六回目の、ご報告

一回り以上生きてこれたことに感謝しない者は、誰が賢者かを知ることはない。煌びやかな袈裟を纏った愚者の言葉を賢者のものとして聞く。

一回り以上生きて来れたことに感謝しない者は、生への執着がいっそう強まり、判断の鈍りに気付くことはない。臆病心は絶えず生じ、そして同類を求める。

愚者の言葉を賢者のものとして聞き同類を得て安心する者は、何の教訓も遺せず、同じ生を繰り返す。

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