【山岳フリマ】 #毎週ショートショートnote
十二月になった。
もう時間がない。
流石に今度のテストを落とせば留年確定だ。
これはもう山を張るしか無い。
しかし、俺の脳みそでは山さえ見当もつかない。
しかも、せっかく覚えた山が当たらなければ無駄骨である。
これはもう、アイツに頼むしか無いのだ。
山当て確率は9割を越え、学生たちの間では「山岳救助隊」と呼ばれる男、山本阿天坊に連絡を取った。
山を当てる確率9割超えは、俺のようなダメ学生の救世主だが、金の亡者との噂も止まず、足元を見られると一山いくらになるかしれない。
範囲が広く山を張りづらい教科は当然、報酬も高くなる。
最近では、彼を真似た奴らも現れ、今や大学の裏門広場はまるで山岳フリマ状態だ。この金が教授に流れているとの噂も絶えない。
卒業後、オレがヤツに頼った事をnoteに書き込んだことで、大きな問題に発展したらしく、流石に大学側も規制に乗り出したようだ。
この山岳フリマ状態は解消され、噂の教授も退官したそうだ。
(409文字)
書きかけにしてたら「十二月」で始まるシロクマ文芸部が終わってた。
毎週ショートショートnoteも忘れないうちにチャチャっと仕上げて投稿です。