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スペシャルティコーヒーって?(後編)


with コロナ

新型コロナウイルスと共存していく「シンセカイ」に入った感じがありますね。

オンライン飲み会が流行っているそうです。

ですが、例えば

居酒屋でしたらざわつく喧騒、他のお客様たちの話声、活気ある店内の熱気、グラスやお皿が触れ合う音。

はたまたBARやレストランでしたら少し張り詰めた静けさ、漂う空気感。

喫茶店でしたらコーヒーの香り、BGM、常連様の談笑。

などなど。

そんなものが過ごす時間の味付けになっている。

その場にいないと得ることのできないスパイスのようなものがあると思うんですよね。

今は stay home ですのでオンラインでの繋がりとなってしまいますが、

いつか早い未来に

たくさんのお客様で賑わうお店の姿が戻ってくるよう願ってやみません。



少し前置きが長くなってしまいましたね。

さて、今回は前回の続きで

「スペシャルティコーヒー」

について掘り下げてみよう!の後編を書いてみたいと思います。

※前編を読んでいらっしゃらない方は先にそちらをどうぞ!


Cup of Excellenceとは


前回の最後のほうでコーヒーピラミッドの話の個所で出できた

COE(カップ・オブ・エクセレンス)についてお話します。

Cup of Excellenceとは、最高品質のコーヒーにのみ与えられる栄誉ある称号です。

アメリカ合衆国のNPO「アライアンス・フォー・コーヒー・オブ・エクセレンス(優良コーヒー同盟、Alliance for Coffee of Excellence、ACE)」によって毎年開催されているこの称号は、生産国ごとに非常に厳しい審査会を経て、その年に生産された最高のコーヒーに対して与えられます。


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称号を授与されるコーヒーは、厳選された国内及び国際審査員であるカッパーによって選ばれ、審査会のプロセスの中で最低5回のカッピングが行われます。継続的に高得点を獲得したコーヒーのみが、審査会の次の段階へと進み、一握りのコーヒーだけが栄誉あるCup of Excellenceの称号を授与されます。その後、審査結果と共に各国にサンプルが送付された後、インターネットオークションを通して最高値の応札者に販売されます。
農園経営者は国内の授賞式で栄誉ある称号を与えられただけではなく、オークションによって高値の報酬を受けます。一方、オークション参加者の多くは、顧客に最高の品質のコーヒーを提供する事だけでなく、受賞農園の経営者と直接の関係を築く事にも関心を持っています。さらに、高品質の生産者であることが認知されると、多数のコーヒー関係者が産地を訪れ、継続的な取引に発展する可能性が高まり、収益を長期的に安定させることになります。

【参加国一覧(2013年現在)】
ブラジル、エルサルバドル、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラ、ホンジュラス、メキシコ、ブルンジ、ルワンダ、コロンビア、ボリビア

カップ・オブ・エクセレンスはコーヒー界のアカデミー賞(オスカー)とも例えられています。


Cup of Excellenceの始まり

低迷し続けるコーヒー国際相場の中、経済的問題を抱える発展途上国を救済するプロジェクトが各国政府やNGOにより始まりました。

それは高品質のコーヒーを生産すれば、生産者に品質に見合う正当な還元ができるかどうかを検証するプロジェクトです。これと、ほぼ同時期に「テロワールがユニークな風味特性を持つコーヒーを育てる」という理念の下でスペシャルティコーヒーが誕生しました。
生産者側と消費者側の「同じ」熱い想いがそれぞれに立ち上がり、
1999年にICO(国際コーヒー機関)のグルメコーヒープロジェクトの一環として、ブラジルグルメコーヒーコンペティションが開催されました。この審査会とオークションの効果が、のちのCup of Excellenceに発展していきました。そして、類い稀な風味特性を持ったコーヒーが、焙煎業者や消費者に大いに刺激を与えました。
現在では、我々のような輸入業者や焙煎業者が複数のコーヒー生産国がプログラムに参加することにより、お互いに有益な情報を共有し、高品質なコーヒー生産を目指す生産者とCup of Excellenceファミリーとでも呼ぶべき関係を作り上げています。


Cup of Excellenceから見えてくるもの


Cup of Excellenceは、コーヒーの可能性を広げ、生産者、輸入業者、焙煎業者すべての認識を根底から覆しました。Cup of Excellenceをサポートする世界中の焙煎業者や輸入業者、バリスタたちが、最高級の品質のコーヒーの良さを理解し、発展に寄与してきました。生産者オークションによってプレミアムを得ることができ、彼らも更なる進化を求め、新たな生産プロセスに挑戦しています。
そして、消費者のコーヒーの風味に対する期待を遥かに超え、コーヒーの裾野を大きく広げています。
Cup of Excellenceプログラムは、生産者と消費者を繋ぐ架け橋とも言うべき存在です。


ACEとは


最後に今回の初めのほうに出てきたACE(Alliance for Coffee Excellence Inc.)の説明をしたいと思います。

”Cup of Excellence”と呼ばれるオークションを主催するNPO団体です。
“Cup of Excellence” オークションは生産国ごとに年1回行われます。

まず、生産者たちは手塩にかけたコーヒーのサンプルを主催者側に送ります。集められたサンプルは、まず国内でカッピングされ、ACEによって決められた基準を満たしていると認められたロットのみ、国際審査のステージに進みます。

ケニアカッピング



国際審査では世界中から優秀なカッパーが集まり、最終選考を行います。審査は全てACEのカッピングフォームが使用され、スコアーが86点以上(※2015年以前は85点以上)という厳しい基準を超えたロットのみ”Cup of Excellence”の称号を得て、オークションに出品されます。オークションはインターネット上で行われ、世界中のコーヒーバイヤーによって落札されます。

スペシャルティーコーヒー業界は、生産国はもちろんのこと、消費国も交えた交流も不可欠になっています。このような場を提供してくれるACE(Cup of Excellence)は、生産者だけでなくバイヤーにとっても貴重な存在となっています。


さてさて、「スペシャルティコーヒー」についてお送りしてまいりましたが

いかがだったでしょうか?

ではまた。

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