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Art in you

千葉市美術館にて、宮島達男展を観る。

宮島氏の代表作は、1から9の数字を使ったアートである。数字はLEDが点滅していたり、人肌にペイントしてあったり、言葉(口話)でカウントしていたり、と様々な形で登場する。たった9つの数字を描いたりくり抜いたり、並べたり点滅させたりするだけで普遍的なメッセージになっている。

思えば、数字は単に数を表すだけではなく、それぞれの数学的な意味があり、観る者の思い入れもある不思議な印だ。

会場で、寿命を設定するインスタレーションを試してみた。パソコンに自分の誕生日と死ぬ日(70歳の誕生日を設定)を打ち込み、プロフィール写真を撮る。遊びではあるけれど、寿命を決定するのはそれなりに勇気が必要で、いまここで生きていることをこれでもかというほど意識する瞬間であった。(以下、あたしの写真です)

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2000年、長男を抱っこしながらオペラシティで宮島氏のMEGA DEATHという展示を観た。壁いっぱいのLEDの数字がそれぞれのスピードでカウントし、一気に真っ暗闇になったとき、息子はすやすやと眠っていた。

無機質な数字が星座のように、いのちの粒となって同調する。暗闇の中、ひとつひとつ数字が灯りだし、それぞれのリズムでカウントを始めたとき、なにか希望のようなものを感じていた。

平和は、自分の中にある。