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『3びきのくま』に思うこと

奥さんと話しているとき、たまたま「『3びきのくま』って子供が好きなんだよね〜 でも、あの意味ってなんだろう?」って話になりました。

小さな子供にとって、絵の可愛さや言葉のテンポのよさといった要素も重要なのでしょうが、大人が読んだとき、これをどう解釈するかな、と考えたのです。

Wikiにあらすじが書いてあったので、引用してみます。
https://ja.wikipedia.org/wiki/3%E3%81%B3%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%8F%E3%81%BE

女の子が森でクマの家を見つける。誰もいないので入ってみると、テーブルの上にお粥が置いてあった。1つ目のお粥は「熱すぎる」。2つ目のは「冷たすぎる」。3つ目のは「ちょうどいい」ので、全部飲んでしまう。

女の子は疲れていたので椅子に座ろうとした。1つ目の椅子は「大きすぎる」。2つ目のは「もっと大きすぎる」。3つ目のは「ちょうどいい」ので座ったが、椅子は壊れてしまった。

眠たくなったので寝室に行ってみると3つのベッドがあった。1つ目のベッドは「固すぎる」。2つ目のは「柔らかすぎる」。3つ目のは「ちょうどいい」ので、そこで寝てしまう。

クマが戻って来て、お粥は食べられ、椅子には座った痕があり、1つは壊されていて、ベッドには寝た痕があり、子グマのベッドには女の子が寝ているのを発見する。目を覚めた女の子はクマに驚き、慌てて家から逃げていった。

解説ではマナーの大切さを謳っているなどと言われているが、私はこれを読んで「文春?」って思ってしまいました。小さな女の子にとってクマさんのおうちとは神秘以外の何物でもなくて、のぞいてみたい、食べてみたい、触ってみたい、好奇心が膨らむままに、知らなくていいことも、ついつい詮索してしまう。そうこうしているうちに、クマさんにとって大切なものを壊してしまっているかもしれないな。そんな風に、私は感じ取りました。

好奇心によって加速されるインターネット社会を生きていると、この話には、ただの教訓とは思えないリアルさ、切実さを感じてしまう。絵本の解釈はどうあってもいいと思いますが、子供が大きくなったとき、好奇心の恐ろしさを伝えるために、『3びきのくま』を思い出してもらうというのもありかもしれない。そんなことをふと思ったのでした。

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