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ルポライターは絶滅危惧種…?

「ルポ」

この言葉自体が、もう絶滅危惧種なのだという

ルポルタージュ
Reportage

フランス語

カタカナの段階、つまりは音の段階だと気がつかないかもしれないが、アルファベットにしたものを見てみれば、なんのことだか察することができると思う

英語にすれば一目瞭然

レポーティング
Reporting

レポート、報告すること

それを「ルポルタージュ」と書くと、なんだか文学作品のような印象になるから、言葉というのは不思議

記者やジャーナリストが、取材した内容を報告すること、または、それに伴う報告書のこと

「ルポ」として略され「ルポライター」などの肩書きに使われてきた

字面「ルポ」の「ポ」が、なんとなくアホっぽい感じがしたのだろうか…

いつしか「ルポライター」と名乗っていた人たちは、肩書きを「ノンフィクション作家」に変えていく

いまでは「ルポライター」と名乗る人はほとんどいないという



日本の海鮮盛りにインスパイアされ、フランスに誕生した新たな料理がある

フリュイ・ド・メール
Fruits de male

日本語に訳せば「海の果物」

新鮮な魚をフルーツに例えるあたりがさすがだが、それを「フリュイ・ド・メール」と、フランス語にして、しかもちゃんと発音されると

なんだかものすごくフワフワした、天国のご馳走のようなものに感じる

新たなとは言っても、開発されてもう30年以上は経過しているから、けして「新たな」という表現が正しいわけではないかもしれないが

ことフランス料理の歴史や、そこから生まれるプライドを鑑みれば「新たな」が相応しいと考えた

日本の海鮮盛りにインスパイアされただけあって、日本の「魚を生で食べるため」のあくなき挑戦や努力も、ちゃんと学び取り入れているらしい

醤油やシソ、柚など、日本の調味料や食材も、素晴らしさを率直に認めて、貪欲に取り込んでいっている

こう言った伝統に囚われないフランス料理への新たなアプローチをこう呼ぶ

ヌーベル・キュイジーヌ
nouvelle cuisine

訳せば「新しい料理」もしくは「新たな料理」

日本の映画業界も、フランスからきたヌーベルバークに飲まれていった

「バーグ」は波のこと

これもなんのことはない「新しい波」
もう少し“ぽく”訳すならば「新しい潮流」

「ヌーベルバーグさん」という俳優がいるわけではない

「ルポライター」という言葉が絶滅危惧種

そういった「フランス語にする」という行為自体が、絶滅危惧種になっているのかもしれないな、とふと思った

なんでもフランス語にすれば、少しお洒落なもの、粋なもの、に感じていた日本人も、いまでは逆に鼻につくようになったのかもしれない

「ルポ」や「ヌーベルなんちゃら」などフランス語にすることで雰囲気を出す手法は、時代や世相などによって、書き手の意図に反して読み手が違う意味で受け取ってしまう言葉だということになる

さらに言えば、日本においてのみ通用するニュアンスであり、表現手法に過ぎない

フランス人に「ルポルタージュ」と言ったところで、僕らでいうところの「報告」としか聴こえない

言葉は絶滅するのだろうか?

「言葉の絶滅危惧種」
生き物と違って、言葉は永遠に生き続けるから、絶滅することはない

「言葉のガラパゴス化」
これならわかる

ルポルタージュは、ルポとして日本では独自の雰囲気を醸し出す、伝わり方や意味合いのことなる言葉に進化したのだから

ルポルタージュ、ガラパゴス化から絶滅危惧種へ

インターネットも普及し、安く自由に世界を旅することができる時代となって、欧米への劣等感や憧れも、それだけ薄れたってことなのかもしれない

本日もご精読感謝🙏

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