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笑顔の地図(6)

もしよかったらこちらのKindle版で読んでいただけると嬉しいです。2022年2月22日にリリースできました☟

理由1,共著者の平林ちずさんのご協力により売上を『海護り募金』および『100万人を笑顔にする会』の活動に募Kindleされます

理由2,リアルタイムで書いているときは、もうこれでバッチリ!と思っていたものも時間を空けると、ダメなところが見えてくる。キリはないのでしょうが、大幅加筆修正も加え、読みやすさも格段に上がったと思います。なによりもKindleアプリが、それぞれの端末で読みやすくレイアウトしてくれてます

理由3,特にKindle Unlimitedをご契約の方は、無料で読んでいただいたページ数分が支援になりますので奮ってご協力…ご購読いただけたらうれしいです

海護り募金だけ切り抜き

脱炭素から「活炭素」へ

海に森をつくる
二酸化炭素を活かす

海の森は「藻(も)り」

海の草木は「藻」なんです
ワカメとか昆布とかアマモとか海藻(かいそう)たち

藻たちにとって二酸化炭素は
人間にとっての酸素です

藻たちにとって二酸化炭素はエサ

そんな藻たちが世界的に減ってしまっているんです

どうして減ってしまったのか?
そして、どうしたら増やせる?

なんと今貝…もとい今回リリースされた
「笑顔の地図」を読んでいただくだけで

アマモが増えちゃいます!

ちずさんのご協力により、収益を海にモリをつくる「海護(アマモ)り活動」に寄付させていただくことになったからです

特にKindle Unlimitedをご契約の方は、無料で読んでいただいたページ数分が支援になりますので奮ってご協力…ご購読いただけたらうれしいです☟

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ここから本文☟

「今日は、偉大な方が、お亡くなりになり、葬儀に行ってました」

ちずさんからの、唐突なメッセージ

そのあと「地球への応援メッセージも、土曜日に、贈りました」と続く

地球への応援……地球を応援したんかいな……?

が、まずは、亡くなった偉大な方とは誰なのか、ということから尋ねることにした

お亡くなりになったのは、ブックオフ創業者の坂本氏だという

ついこないだ(2022年1月末)のことであった

一度は収束しかけたウイルス騒ぎも、年明けからまた一気に振りだし

あっという間にまた、全国で『マンボウ』が海遊しはじめていた

そんな風に、珍しい巨大魚のような通称で呼ばれるほど、よく耳にする語句となってしまっている『蔓延防止条例』

たとえそれが苦肉の策、皮肉りだしたらキリのない内容であったとしても、何かしら策を講じなければ、誰かしらの責任問題へと発展していくことになる

あっちが立てば、こっちが立たない
やっても、やらなくても、叩かれる

業種によっては、憎らしくて仕方がなかろう

世の中的には、そういったことも、そろそろ慣れてきた感もある

そういえば、先日のことになるが、知り合いの報道系の番組ディレクターが、こんなことをいっていた

自粛ムードが功を奏してか、世界的にも、さして大きな事件も起きない

他になかなか話題がなくて、仕方なくウィルスについてのニュースを流し続けている中で、こないだ東京に大雪が降ったときは、なんだか救われた気がしたよ

人間側にどんな事情があるにしろ、感染者は、あっという間に増えていく

受け入れ可能な病院の病床は、あっという間に満床となったらしい

それは、坂本氏が常日頃、多額の会費を支払っていた富裕層向けのプライベートクリニックでさえ

院内感染の懸念から、指定の病院でしか受け入れてもらえない現状など

よく耳にする病床問題は、たとえ相手が坂本氏であっても、変わらずに襲いかかった

受け入れ先が決まらないままに、坂本氏は逝く

こんなときの葬式であるから、きっと、その規模なども含め、どうするのか、どうしたらいいのか、相当な検討が成されたことだろう

限られた関係者だけ、ということに落ち着いたらしい

が、とはいっても、影響力のある人物

あっという間に、拡がる

盛和塾での共通の繋がりが多いこともあり、ちずにも続々と訃報が届けられはじめた

そして、ついに決定的となる連絡がくる

盛和塾の塾頭であるI氏から、正式な訃報がもたらされた

こんなときだ
もし葬儀が東京なら、仕方がない

夫が医療従事者で、自分自身も温浴リハビリ施設を運営している身で、施設の利用者は大半が高齢者である

とはいえ、とはいえだ
気になって仕方がない

劇的な出会いとなった、あの鹿児島での盛和塾研修ツアー以来、坂本氏は、20年以上に渡って、事あるごとに ちずを支えてきてくれた

そして、その交流は公私にわたり及ぶ

駆け出しだった ちずに「東京にでるべきだ」と盛和塾の精鋭たちがアドバイスする

坂本氏はアドバイスだけではなく、さらに踏み込んで、なんと東京で借りるマンションの保証人に名乗りをあげてくれた

それも、ちずから頼んだわけではなかったという

その後も、ちずの結婚式では、式に参加するだけにとどまらず、スピーチまで

いつしか、家族ぐるみの付き合いとなり、坂本氏だけではなく、そのご家族とも酒を酌み交わす仲にまでなった

もう数え上げればキリがない

どこの馬の骨ともわからない自分をなぜそこまで支えてくれたのか、結局、その理由を聞くことができないまま

お別れとなってしまった

せめて……せめて最後の挨拶くらい……

告別式の内容を確認する

『山梨』となっていた

本来なら東京で大々的に行われるはずだったであろう告別式は、様々な配慮から、坂本氏の故郷である山梨に落ち着いたらしい

葬儀は誰が取り仕切っているのだろうか

ふと、酒を酌み交わすようになり、よく他愛のない話をしていた坂本氏の息子であるMさんを思いだす

そして、Mさんとは、10年近く会っていないことに気がついた

事業が波に乗り、忙しくしているうちに、あっという間に10年

そうだ、そうなのだ

こんな風に時間を忘れてしまうほど充実した事業を成せたのは、坂本氏の助力のおかげではないか

山梨……山梨か……東京ではない……

とはいえ、こんなときだ……県またぎは県またぎ

夫……関係者……顧客である高齢者たちの顔が浮かんでは消えていく……

仕方がない……仕方がない……仕方がない……

ここで、また例の《 いきなり 》がきた

なぜだか、脳裏に、坂本氏の息子であるMさんに励ましの声をかけているシーンが浮かんだ

しかも、カラー、そうカラーで浮かんだ

突然浮かびあがるイメージ、しかも、それがカラーであったとき、そのほとんどが……いや、そのすべてが現実のものとなってきた

もう坂本氏には御礼すら伝えられない

でもね、でもね、と

息子さんであれば、息子さんのMさんに対してであれば、まだまだできることがある!

『支える』なんて、烏滸がましいことはいわない

ただ、10年前のように、いつでも気軽に話せる、なんでも話せる話し相手として、頭の片隅に置きなおしてもらおう

そういえば、Mさんのことを『ムネちゃん』などと、ちゃん付けで呼んでいたりしたっけ

さらには、こんなことを言われたりしたことまで、おもいだす

「ちずさんみたいに、なんでもハッキリという人が、俺は好きなんだよなぁ」

ストレートしか投げない、まさに歯に絹着せぬ、そんな ちずの物言いに対して、皮肉ではなく、本心から羨望を向けてくれていた

一聴すると、皮肉のように聞こえるが、その場にいた当時のメリルリンチ副会長夫人が、

「ムネちゃん、そんなに ちずさんが好きなら、夫がいようと奪っちゃえばいいのよ」

その真意は別にして、そんなやりとりができるような、他愛のない無駄話を気軽にするような間柄だったのは間違いなかった

ちずには、10年も会っていないという実感はなかった

が、Mさんの方はどうだろう

答えは、山梨にしかない

気がつけばハンドルを握って……おっと、いまはそういうわけにはいかない

完全防備、感染予防措置を、かためられるだけかため、一路、山梨へと向かった

道中も、何度も、ちずの頭をよぎる

2022年1月末
全国では、日々、何万人というレベルで感染者が増加の一途を辿っている

支えてくれている関係者や知り合いの顔が、あらわれては消え、消えてはあらわれ

気がつけば、もう告別式の会場に着いていた

そこで、そんな迷いすら、一気に吹っ飛ぶ…ぶっ飛ぶ光景を目のあたりにする

突き抜けるような青空、という表現があるが、まさにこういうことをいうのだろう

そんな青空を背景に、とんでもない数の献花

ひとつひとつが、それはそれは立派な献花が、遥か彼方まで大行列を成していた

さながら、京都の三十三間堂のごとし

それは、坂本氏に思いを馳せつつも、悔しくも葬列に参列出来なかった者たちの身代わりであり、祈りであった

日本にあるすべての献花が、ここに集められたのではないか

歩けども、歩けども、献花の葬列は、あてどなく続いた

告別式の会場の建物まで永遠と連なる

建物の前までついたところで、やっと、ちずは我にかえれた

そして、気がつく
皆さん、さすがだ
さすがに、参列は控えている

ちずが見知る面々は、よほど深い関係者でもない限り、来ていなかった

やはり、愚行だったのだろうか

夫が医療従事者であることも、ちず自身が高齢者向けの施設の運営者であることも、ある程度、衆知のことだし、周知からの羞恥になってしまうのだろうか

そして追い打ちをかけるように、通常の告別式のような式典は、催されないことを知る

当然といえば、当然だ

左右をガードに囲われた細い一本道が、すでに用意されていた

そこを、ひとりひとり、等しく間隔を空けながら、蟻のごとき行列をつくり進みゆく

きっと、その先に、Mさんもいるのだろう

きっとそこでも、適度な間隔があいているい違いない

あげく、告別式の会場の手前で、締め出されたまま、待たされることになった

柵によるルートはできていたが、まだ人は並びはじめておらず、どうやら、はじまるまで、少し時間があるようだ

Mさんはどこにいるのだろう

それとなくスタッフに確認すると、2階の控室にいるという

これからというときだ
忙しくしているに決まっている

たが、ちずの答えは決まっていた

シーンは……浮かんだイメージは、Mさんの前に立ち、励ましの言葉をかけていた

しかも《カラー》だ、カラーのイメージなのだ

ちずは、2階へと向かった、そこにもう躊躇(ためら)いはなかった

階段をあがると、控室がみえてきた、あと少し

まさに、そのときだった

控室のドアが開く

出てきたのは……もういいですよね……わかりますよね

そう、出てきたのはMさんだったのである

☞(7)へとつづく

(1)です☟

この記事の元となるインタビューの模様はこちらから聴くことができます☟

次回のインタビューは2月8日火曜日の11時から☟

こちらの記事は、ちずさんのご協力のもと、ゆくゆくは「募Kindle」としてKindle本になる予定です

募Kindleとは、電子書籍を読んでいただくだけで「海護(アマモ)り募金」となり ” 海に森をつくる ” 支援ができる仕組みです

特にKindleUnlimitedをご契約の方は無料で、読んでいただけたページ数分が支援になりますので奮ってご協力いただければうれしいです。詳しくは☟


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