行列に並ぶとなぜ食べ物は美味しく感じるのか、3つの理由を考えてみた。
平日の朝10時半。私は日比谷に降り立った。後輩の女の子に誘われティムホーワンにきたのだ。ティムホーワンは「世界一安いミシェラン1つ星の点心専門店」として有名だ。開店は11時だけど、もう20組ぐらい待っている。並んでいるのは全員女性。
■並んでいる瞬間も並ぶ前も沢山予備知識が蓄えられる
並ぶという前情報がわかった時点で、まずそのお店のことを結構調べる。いつぐらいから並んだらいいか。どのメニューが一押しなのか。そうすると結構、期待に胸が膨らむ。そしてお店に対するストーリーが自分の中に形成させる。
このお店だと「香港に行かずして2000円ぐらいでミシェランのお店のベイクドチャーシューパオが食べられる!」という期待値がどんどん高まって行く。
■そもそも並ぶことを前提とするお店に行く人は仲がよい人か、並ぶことを許容できる人
ご飯は結局は何を食べるかではなく、誰と食べるかに味の評価は終始する。
接待や緊張する席で、いくら美味しい寿司、焼肉を食べても味があまりしない。
初対面の人と行列して美味しいものを食べに行くオフ会をたまに見るけど、対象物(食べ物)への愛が、「初対面」「気まずい」「めんどう臭い」この3ストレスを乗り越えているから成立するのだと思う。私たちの場合は、平日限られた休暇を使ってわざわざ食べに行っている、さらに数年来の友達で気心が知れているという点から、正直そんな美味しいものでなくても美味しく感じられてしまうだろう。
■食べた後に各自で食レポを始める可能性が高く味覚の感度を勝手にあげている
話題のお店は、飲み会の時や初対面の人との打ち合わせの時、5分間ぐらい時間を埋めてくれるネタになる。相当美味しくないお店で無ければ「美味しかったんです、今度みんなで行きましょうねー」という話題に繋げられる。話題のお店としてインスタなど各種snsにあげて、いいなーなどという毒にも薬にもならないレスポンスも期待できる。
では、実際にティムホーワンは美味しかったのか?答えはとても美味しかった。話題のベイクドチャーシューはメロンパンのような生地に大きめのお肉が入っていて、こんな組み合わせ美味しいのか?と思ったけど抜群に美味しかった。
並ばなくていいなら、並ばずに月1で食べたい(笑)
ご馳走さまでした。
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