【note】お金は腐ります
マネーセミナーで、「お金は腐ります!」という発言をする事がある。多分、殆どの受講生は意味が解らない事言ってるなぁと思ってるはずです。通貨の3大機能として、交換、評価、貯蔵というのがあって、10円玉の製造年を見ても解るように昭和20年代のものでも10円として機能します(中にはプレミアムが付くものをありますが)。じゃぁ、このお金が腐るってどういう意味か?それはお金そのものの評価をいいます。通常、モノには時間の経過とともにその価値が落ちていきます。まぁ中には歴史的価値などが付いて高騰するものもありますが…。それと同様にお金にも経年劣化というものがあります。例えば、私の記憶の中では昭和45年の国鉄の初乗運賃は大人30円でした。現在は山手線内・大阪環状線内であれば、初乗運賃は140円です。5倍近く上がっています。換言すると、それだけお金の価値が下がってるとも言えます。つまり100円あれば、昭和45年では3回乗車して10円のおつりがきたのに、令和2年では40円も足りないのです。
このことから、いわゆるタンス預金をしててても、お金は増えず、むしろほったらかしにしていたら価値が下がってしまう。いわゆる腐るという事です。もっとも、生鮮食品のようにすべてがパーになるわけではありません。多分…(近代以前の欧州のように一夜にしてその通貨が使えなくなるという事は現代では考えにくいと思われますが、まったくないとは言い切れません…という意味の多分)。
では、どうするか?日本においては、バブル経済崩壊前までは、預貯金の金利がそれなりに高く、物価上昇率に近い所にありました。でも現在は、預貯金のこの歴史的低金利で利息も期待できません。むしろ、預金の引き出し等で手数料がかかり、マイナスになる事さえあります。ただ、盗難等の被害のリスクがない分安全と言えます(でも、詐欺などによるリスクもありえなくはないが…)。
その事から預貯金も期待できないので、結果的には有価証券などに”投資”する選択肢になろうかと思います。いや、投資には価格変動リスクがあって、そっちの方が嫌だ…という意見があります。実は証券会社に勤務していた頃の私もそんな考えでした(それでも当時は、持株会や天引型の積立投資信託をしていましたが)。でもファイナンシャルプランナーの資格を取り、ネット証券で広報等の仕事をしていくうちに、株式投資程度であれば、返ってリスクが軽減できるのでは、と思うようになりました。もちろん、投資の勉強はいっぱいしたつもりです。
その結果、リスクに対するひとつの考え方を持つようになりました。想定できるリスクの範囲内で投資する。という考え方をベースに現在は投資しています。想定できるリスクというのは、私の場合、価格変動リスクの範囲とその原因を明確に理解できることと位置付けています。例えば、投資家で有名な桐谷さんの投資戦略である株式優待制度の企業への投資。私も実践しています。株式優待をしている企業は、優待するだけの余力があるという判断です。ある銘柄で、業績悪化で優待を止めた時、売却しましたが、業績が回復し、優待を復活させた時、買い戻しをしました。もちろんすべての銘柄が”勝っている”訳ではありません。まして、このコロナ禍の今、殆どの銘柄が1割から2割、中には5割も下落しているものもあります。でも、これも想定の範囲内で留まっています(少し、銘柄を入れ替えましたが)。
因みに預貯金は、決済に必要な程度に留めています。そうする事で常にうるおいのあるお金にする事ができると考えているからです。
あと、”想定できるリスク”に限定して投資しているので、リスクの把握が難しい、FX(為替証拠金取引)や暗号通貨(仮想通貨)、先物取引等はやっていません。外貨はMMFに限定しています。信用取引は検討はしていますが、想定外の相場変動の時に、投資額以上の損失に対する対応が可能かどうかという部分で二の足を踏んでいるのが現状です。まっ、投資額以上の損失を生み出さない程度に留めれば良いのであるのだが…。
そんな訳で、株式や株式投資信託へ投資する事でお金を腐らせず、うるおいを持たせるという事も考えてみるのは、いかがでしょうか?
現在だと、確定拠出年金制度のある会社であれば、投資教育が義務となっているので、投資の勉強する機会が昔よりもあるだろうと思いますし、そうでなくても、無料で金融機関等が開催している投資セミナーなどでも勉強する事が可能です。
私も時々、セミナーで登壇する事もあります。ただ、スタンダードバージョンが多く、ユニークバージョンは主催時の時に限定しています(セミナーにも色々とレギュレーションがあるので)。5名以上の人数が集まるようであれば、セミナーを開催してみたいと思います。あっ、今だとオンラインセミナーって手もありますね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?