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軽々しく「アップデート」と言う人が嫌い、という太田さんの話を聞いて

私はここ半年ほど、ラジコで色んなラジオ番組を聞くのにハマっています。
昨日聞いていた爆笑問題カーボーイで、太田さんが興味深いことを話していたので、ちょっと取り挙げてみることにします。

※放送から1週間経つのでリンク先に飛んでも聞けないかもしれません。あしからず。


1:37:48~1:39:05 の部分を書き起こしてみました。

太田:もう~俺アップデートって言葉嫌いでね。
 
田中:あーーわかる気がする。
 
太田:なんっって軽々しい薄っぺらい言葉だろうと思うね。
 
田中:まあね。
 
太田:よく使うね。
またそれをさ、何の疑いもなくさ、「アップデート、アップデートしなきゃいけないと思うんですよ」みたいなことを言うやつ。
一番信用できない。
 
田中:悦に入って言ってるからね。だいたいね。
 
太田:悦に入ってるつーか、それを使うことになんの抵抗もないっていうかさ、それなんにも疑わないんだ、みたいなさ、
そんなやつに、なんかそんな深いことを、考えるやつだとはとても思えないね。
 
そのー例えば男女のこう、そういうLGBTとか、そういうことでよく言うじゃない。
アップデートやっぱり我々しなきゃいけないと思う、と。
 
だけどアップデートって言葉を、何の抵抗もなく使えるやつが、なに、そのー、そういう人間と人間の関係性とかを、とても深く考えるやつとは俺には思えない。俺には思えない。
 
田中:2回言ったけど笑
 
太田:だったらもうお前、ドコモショップ行ってくれ。
そんっなに簡単なことだったら、お前ドコモショップ行って、頭に電極差されてこい。と思うね。
アップデートしてくれるから。
 
田中:すげー言いたがるよね~


なんかわかるなあと思いました。

社会や価値観が日々大きく変動する現代。
従来の世代間ギャップや右か左かのような概念だけでは説明しきれないほど、たくさんの複雑な立場が存在していると思います。
そういう流れを感じたときに、自分で深く考えてみることをせず「考えをアップデートして適応していきましょう」と口にしてしまう人も少なくないでしょう。

私は自分の中での再定義・再解釈をもっと大事にしていきたいと常々考えていますが、太田さんの言っていることとも少し近いかも。
変化のスピードが速すぎるというのもあるとはいえ、新しい規範や価値観に対して自分なりの咀嚼をすることなくそのまま形式的に受容し(たつもりになっ)て、「アップデートしている勢 ⇔ していない勢」の二項対立に陥るケースが多くなってきている気がします。

特にハラスメントの問題なんかは、他人とのコミュニケーションや関係性構築について再度見つめ直すべきものなのに、今は「ハラスメント」という言葉が先走りすぎて、切って貼ったような解釈と上滑りした議論が横行しているような感想を持ちます。


まあそんな感じで自分も色々思うところもあり、鋭い視点だなあと思ったので今回取り挙げてみました。

テレビの芸風などから太田さんにあまりいいイメージがない人もいるかもしれませんが(← これは太田さんファンが魅力を語るときに使いがちな枕詞なのですが、私自身は実は元々そこまで悪いイメージは持っていませんでした。あと数年前からテレビなし生活を送っているのでサンジャポが見れないのが悲しい)、想像以上に繊細でなかなかに人間的な魅力に溢れた人なのです。 
感受性が豊かで若い人のカルチャー(音楽など)に積極的に触れているし、素直に感動したりとちゃんとリスペクトがあるのが素晴らしいです。タイタンライブなどで漫才をやり続けていたり、毎朝自宅でトレーニングしたり、読書家で後輩の本なんかも読んだり自分でも執筆したりもしています。

爆笑問題がパーソナリティーのカーボーイとか日曜サンデー、おもしろいので是非聞いてみてください。
笑いあり、コンビの定番の掛け合いあり、ネタ職人たちの楽しいメールあり、ちょいちょい世の中についての話ありで、センスのベクトルが合えばとても楽しめる番組かなと思います。


'21/03/23 更新(本文全体)
'24/01/03 最終更新(太田さんの人柄について追記)

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