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夜中に、目を覚ますと。

 毎晩、寝てから夜中に一度目を覚ます。その後すぐ寝付くということは無く、長いときは1時間以上寝付けず、本を読んでいたりすることもあれば、そのまま起きてしまうこともある。だいたい三分の二くらいの確率で再度寝れるのだが、面白いことに、目を覚まして意識が微睡んでいる10分くらいの間に、様々な「解答」を発見することがある。

 大抵それらは、このところずっと頭を悩ませている物事に対しての答である。どうしても決まらなかった歌詞の一部であったり、イベントのブッキングの内容であったり、スケジュールのやり取りであったりと、仕事に関わるものもあれば、読んだ本から受けた漠として定まらなかった印象が、どのような根本に繋がっていたのかが明らかになったりすることもある。

 先日は、自分が作った曲で、これは一体どこから「降ってきた」ものなのだろうと不思議に思っていたものがあり、その元が何だったのかをハッキリと思い出させてくれた。しかもそれは、ここ10年以上まったく頭の中で思いもしなかったことだったことに驚いた。ふむー、このように色々雑多な記憶が、脳のどこか秘密の箪笥の中にひっそりとしまわれていて、こんな形でまた出てくることになるとは、思いもよらなかった。とても興味深いことだ。

 夜中に目を覚ます、というところが鍵なのかも知れない。それまでは眠っていたために、意識の深層の扉がまだ閉じ切らない状態で、進行形の脳のエンジンがスタートし始め、思わぬメモリーが引っ張り出されてしまうのか。

 残念なことは、再度眠ってしまうと「これだ!」と思いついた事を結構忘れてしまうことである。思いついた記憶しか残らない。いっそノートと鉛筆でも枕元に置いておいて、メモでもすれば良いのか。しかし、思いつきのほとんどはとても広大で、なかなか簡単に言葉化出来ないようにも思う。

 いずれにしても、脳内のどこかにはしまわれているのならば、きっといつかまた現れるだろうと思ってもいるのだけど。

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