【字書き】上達にインプットは必要か

一般的な字書きさんと比べ、おそらく読書量はかなり少ないのが私です。
時間は限られていますので、読むよりなるべく書いていたい。
けれども、小説の上達にはインプットを有効活用した方がよっぽど効率がいいです。
勉強でもスポーツでも漫画イラストでもなんでも、上達にはインプットの方法がものを言うと思っています。
初っ端からほぼ結論を言ってしまいましたが、本日は小説の上達に繋がるインプットの方法について持論を書いていきます。let's go!

◾️インプットとはなんぞや

んな基本的なことからかい!さっさと次にいけよ〜ってなったかもしれませんがちょっと立ち止まろう。
インプットの方法としては、商業小説を読み漁る、映画鑑賞でストーリー構成を学ぶなどがパッと思いつくんじゃないでしょうか。
でも一日一冊読破するような活字中毒の方や年間数百本見るガチの映画マニアが創作でとんでもないものを生み出せるかつったらまた別の話だと思うんですよね。結局インプットは、アウトプットに結びつくような吸収のされかたをしないと意味がないわけです。
アウトプット、つまり書き続けることは大前提。インプットは単なる「鑑賞」ではなく「吸収」です。
じゃあお前の言うアウトプットに結びつく「吸収」ってなんやねん。
よくぞ聞いてくれました、それでは説明に入ります。(ド一人芝居)

①アウトプットに繋がる「吸収」とは、自分の心の琴線を洗い出す行為である

インプットするにもさ、刺さって何度でも見返したくなる作品とそうでない作品があるじゃないですか。その作品の「何」が刺さったのか。それがあなたの心の琴線です。性癖とも呼ばれてるかもしれない。
刺さる「何か」は、人によって千差万別です。そしてその「何か」があなたの作風に直結します。
商業小説や映画でなくても、漫画、アニメ、音楽、二次創作、なんでもいい。あなたの心の琴線を、どのように表現していたか、どのような構成によってあなたを圧倒したか。それを知ることがインプットです。
手当たり次第に小説や映画を見るのも一つの手かもしれない。でも、刺さらない作品は大抵の場合アウトプットに繋がりません。創作は自分に刺さる要素のみで行われるものだから。
なので、自分が何を書きたいのか、どんな物語を好むのか、自分の心の琴線を知っておくことは相当な強みになります。吸収すべきものも見えやすいし、自分の突き詰めるべき方向性もわかる。
その琴線に従い、さまざまな作品を吸収し、自分に刺さるものを集めていく。刺さったものだからこそ、勝手にアウトプットに現れる。
字馬話馬は、何かしらの部分において突出していることが多いです。それは自分の中の琴線を表現する力を磨き続けた産物ではないかと思っています。

②インプットは量より質 アウトプットは(比較的)質より量

お勉強で例えてみましょう。
成績上げたいと思って参考書を買います。手当たり次第購入してどれも中途半端で終わらすより、気に入った一冊だけ買ってそれを何周もやり込み理解する方が結果に出る。小説のインプットも同じことが言えると思います。
自分に刺さる作品を徹底的に分析し、徹底的に考察する。もしくは心酔する。没入すること。そうした作品に、多くなくてもいいから、豊かに触れていくこと。
創作に活かすとするならば、インプットは量ではなく質。
そして、たくさんの作品を描くことで自分の琴線を表現する訓練を行なっていく。とにかく書き続けること。
絵でもスポーツでもなんでも練習量がものを言いますが、何も考えず練習していても伸びません。自分が何を書きたいのか、頭の中にある妄想をどうやったら最大出力で表現できるか考えながらたくさん書くことがとても大事です。
やったことないしできないけど、小説上達のための一日一冊読破とかは正直あんま意味ないんじゃないかと思います。一日一冊という「量」の目的が先に来てしまい、「書くこと」より「読むこと」の優先度が高くなるし、超絶速読家で1を聞けば10を知る超人でない限り、物語の展開を追うだけで終わってしまうんじゃないかな。とにかく読み終えることに囚われて、自分の琴線に触れる部分を見逃す可能性もある。もったいないことです。※あくまで持論です。

◾️影響されやすいことは、ある意味才能である

人によって、琴線の幅も本数も違うと思うんですけど、やっぱりこれは多い方が作風の幅も広がりやすく人気も獲得しやすいと思います。
そういう意味で、すぐ何かに感動したり揺さぶられたりして影響をめちゃくちゃ受ける人というのは、創作においてはとても有利。刺さるものが多いので、その分手札も多いというわけです。あらゆるインプットがアウトプットに寄与するし、本人がインプットしてるつもりがなくても勝手にアウトプットされるので、「センスがいい」と称される人とかはこれなんじゃないかな。
(けれどそうした人は他人の心にも敏感なので、心を動かすものを生み出せる分、生きづらいことも往々にしてある。芸術家に変わり者が多いと言われているのもここに起因しているとどんぶらこは勝手に思っている…)

肝心のインプット媒体ですが、これは自分が吸収しやすいものならばなんでもいいと思います。結局は、あなたが「心酔すること」「没入すること」ができるものがあなたの血肉となるからです。
まあ強いて言えば、私もそうなんですが脳内で映像を浮かべて書くタイプの字書きさんに、アニメは結構おすすめです。中でも有名なアニメ映画とか、神作画の一場面とか。ああいったものは作画やストーリーはもちろんですが、構図や人物の表情の見せ方も一級品であることが多いです。それを文字でいい感じに表現できたときの楽しさは何にも勝ります。ご参考まで。

というわけでインプットの話でございました。
みなさん無い時間を捻り出して創作してると思うので、インプットも効率的に、楽しくできたらそれがいちばんいいよね。
それでは本日はこれにて失礼します。サラバード!