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「思考の整理学」/外山滋比古
「思考の整理学」/外山滋比古
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「東大・京大で一番読まれた本」…みたいに帯に書いてあって、ほな、読んでみますか…とか思って受験生の時に買って、なんかピンと来なくて挫折した一冊。
「こうすると思考が整理されますよ」みたいな、「滋比古メソッド」的なノウハウ本なのかと思いきや、河合隼雄さんの『こころの処方箋』を思わせるような、知的エッセーというか、悪く言うと、「これからの時代、君たちはグライダー人間ではいけない。飛行機になれ!」みたいな、夏休み前とかによくある校長先生のお話のように思えて、期待外れに感じたのだった。
しかしながら、年老いた今読み返すと、それなりに面白かった。今回、Case Reportをたくさん書いている友だち(児島くん)に改めてお勧めしてもらったけれども、「着想を逃さない」とか、「考えを、しばらく寝かせて、発酵させることが大事」とか、確かに、論文作成に通ずるTipsという感じがある。(とはいえ、現代の若者が求めているのは、もっと直接的な、Chatgpt 4.0の使いこなし方、的なTipsであって、「良い着想を得るのは、三上。馬上・枕上・厠上です…」とか言われても、さいですか…としか思わないような気もする)
本文中に「時の試練」という話も出てくるけれど、刊行されてからほぼ40年が経過してなお、そのへんのしょぼい本屋でも売ってるレベルで人気があって、すごいな、というか、「校長先生のお話」にも根強い需要があるということだろうか、と思った。
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