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明治時代の筆
水茎堂が復元した、明治時代の画家である田能村直入や菊池芳文も使用したのではないかと思われる「直入翁」「芳文先生」という筆を試す機会があった。
羊毛の多い運筆だが、二つを比べると「直入翁」はより短い。その分思ったように筆で形をとる事ができる。「芳文先生」は標準的な長さの運筆だが、すこし短めかもしれない。表現力は格段に豊かだ。
なるほど、この筆だとあの絵が描けるなぁと想像ができるものだが、かといって誰でもができるということではない。それほどに、四条円山派的な絵画が高度に行き着いてしまったということが、筆から見ても言えそうだ。
異なった文脈である、西欧の絵画・芸術観が理解され、さらに新たな独自文化が造り出されるには、それなりの時間が必要とされるのだろうが、その後の日本の歴史を見ると、結果として十分な時間がなかったといえる。あの戦争のせいだったのか。それとも我々が怠惰だったのだろうか。
世界的なコロナ禍のなかで、いろいろと歴史を考えることが増えた。
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