光の末裔
僕は一篇のくだらぬ腰折れ、
文字と音の不定形な塊、
感情とリズムの泥の縄。
単なる遺伝子情報の発現?
動物性蛋白質の連なり、
元素が一時的にとった形。
六十兆からなる一建造物、
百獣の頂上に登った哺乳者、
進化の果てに生まれた《鬱》。
世界から直立したがゆえにもたらされた孤独な病、
ふたつの小さな細胞の結合から始まった
偉大な魂。
*
なぜか二つほどの性の片割れ、
交接で《ビッグバン》を引き起こす火付け師、
光と音と熱と重さ。
遠い彼方の暗闇からやって来て
やがてまた暗闇へと吸いこまれて消えてゆく
一条の光。
たった一度だけの短い歌!
(2000年12月1日〜19日)
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